機関誌「真の家庭」publication

APTF 公式サイト機関誌「真の家庭」福祉のこころ 地域医療・包括ケアの現場から (21)

福祉のこころ 地域医療・包括ケアの現場から (21)local_offer

介護保険制度について

Q 介護保険制度って、どういう制度ですか?

介護は突然に始まります。「自分にはまだ関係ない」「両親はまだ元気だから大丈夫」と思っていても、いつ介護が必要になるかわかりません。早めに対応することにより、介護される側もする側も負担を減らすことができます。

介護保険制度は、自分の老後や家族を介護することになった時に、社会全体で支え合い、本人の自立支援と、介護者の負担軽減のサポートをする、心強い存在です。

この制度は40歳になった月から加入することになり、支払い義務が生じます(保険料)。また、65歳以上を「第1号被保険者」、40歳以上から65歳未満までを「第2号被保険者」と呼んでいます。

第1号被保険者は、介護認定されればサービスの利用が可能です。第2号被保険者は脳血管障害や末期がん、間接リウマチ等、介護保険で定められている16種類の特定疾病が原因で介護が必要になった場合のみ、サービスの利用が可能となります。

介護保険で受けられる介護サービスは、大きく分けて「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス(グループホーム他)」の3種類があります。

ケアマネジャー(介護支援専門員)が、本人や介護者の意向を伺いながら、認定結果の要介護度、家族等の介護力、経済状況などを考慮して「ケアプラン」を作成します。作成は現在無料です。

ケアプラン作成後、サービスが開始されます。開始後も心身の状況変化によってケアプランは変更できます。不安なことや疑問があればケアマネジャーに相談し、要望はしっかり伝えましょう。

Q 介護保険を利用するために、何から始めたらいいのですか?

まず、要介護認定の申請手続きをします。居住する市区町村の介護保険課窓口で本人や家族が申請します。地域包括支援センターや居宅事業所のケアマネジャー等に申請手続きの代行を依頼することができます。

申請後は介護認定調査が行われます。調査員が自宅や施設、病院を訪問し、普段の様子や心身の状態を聞き取り調査します。調査結果とかかりつけ医師の意見書に基づき、保健・医療・福祉の専門家で構成される「介護認定審査会」で審査を行い判定します。

調査は介護の手間がどれだけかかっているかを聞き取るのであり、病気の状態によって介護度を決めるものではありません。普段の様子で気になることはメモしておき、調査員に伝えられるようにしておくことも大切です。また、本人の前では言いにくいことはメモを渡すなどして伝えることもできます。

介護認定は、介助なしで日常生活を送ることが可能な「自立」、要介護への進行を予防する為に支援が必要な「要支援1・2」、何らかの介護が必要な「要介護1~5」の、三つに分かれます。

要支援・要介護の認定結果が出たら介護サービスの利用が可能です。ケアプランの作成をケアマネジャーに依頼し、心身の状況に適したサービスが利用できるプランを、本人や家族等と一緒に考えていきましょう。


本欄は、TLSC(True Life Support Center:トゥルーライフ・サポートセンター)のメンバーが交替で執筆するものです。
TLSCは、医療・福祉の専門家有志が、人類一家族の理想実現を医療・福祉分野の視点から研究し運営しています。