「家庭の日」メッセージイメージ

2008年3月の「家庭の日」メッセージ

子育て文化を継承しよう

親や身近な大人が子どもに暴力を振るったり、育児放棄したりする児童虐待事件が毎日のように起きています。最近も、大阪府で生後5カ月の赤ちゃんが頭を骨折し死亡しました。逮捕された30歳の父親は仕事や生活上のイライラを「子どもに向けた」と、虐待を認めました。

昨年1年間に児童虐待で検挙された事件は300件で、過去最高となりました。事件の被害児童は315人いますが、そのうち37人が亡くなっています。しかも、この数字は氷山の一角に過ぎません。虐待は家庭で行われることから、表面化しにくいのです。今もどこかで、最も信頼すべき親などから、暴力を受けている幼い子どもがいると思うと、胸が痛みます。

本来、無条件で子どもを慈しむのが親です。親から注がれた愛を基盤に、子どもは自尊心や他人への信頼感を育てます。そうして成長すれば、親になってわが子に愛情を注ぐことができるようになるのです。児童虐待は、この“愛のサイクル”を崩してしまうもので、現在の社会が抱える最も深刻な問題の一つと言えます。

人間の営みで、最も基本的なことは命の継承であり、子育て文化を親から子どもに伝えることは、家庭の果たすべき重要な役割の一つです。三世代家族が一般的で、「向こう三軒両隣」が助け合って生活していた時代には、子育て文化は自然に受け継がれてきました。子どもを虐待する親や大人が増えたのは、核家族化や地域社会の崩壊などで、日本の子育て文化にひびが入っているからです。

このため、虐待によって無垢の命が奪われる悲惨な事件をなくすカギは、祖父母や周囲の大人の手を借りて行う子育て文化の復活です。それには親族関係だけでなく、地域社会の絆も取り戻すことが必要です。

子どもは「社会の宝」。赤ちゃんのいる家庭は親族、地域から孤立してはいけませんし、孤立させてもいけません。子育て経験者は、周囲にいる若い親を積極的に支え、子育て文化を次世代に伝える役割を果たしたいものです。

第3日曜日は「家庭の日」

「家庭の日」は、社団法人「青少年育成国民会議」が進めてきた「家庭の日」運動に端を発し、今ではほとんどの自治体が、第3日曜日を「家庭の日」に定めています。さらに政府は11月の第3日曜日を「家族の日」、その前後1週間は「家族の週間」として定めました。この日を機会に、家族の強い絆を確認できれば、それは家族みんなへの素敵なプレゼントになるでしょう。

※APTFでは、毎月「家庭の日」に合わせ、新聞などの媒体に意見広告を出しています。