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2013年3月の「家庭の日」メッセージ

「結婚」軽視が生む児童虐待

児童虐待防止法が成立したのは2000年ですが、虐待される子供はますます多くなっています。警察庁の発表によると、昨年の児童虐待事件は472件で、過去最悪でした。このうち死亡したのは32人で、前年より7人少なくなっていますが、本来奪われてならない命ですから、残念でなりません。

このほか、児童相談所への通告対象となった被害児童数は16387人で、こちらも過去最高でした。防止法ができたことによって、児童福祉司が増え、また相談体制が整い、死に至るような悪質なケースは減ったかもしれませんが、虐待の防止につながっていないのが実情です。

安らぎの場であるはずの家庭で虐待され、心に深い傷を負った子供は、他者との信頼関係を築くことが難しくなります。このため、虐待の被害者は親となった時、自分の子供を虐待してしまうこともあると言われています。この”虐待の連鎖”は、児童虐待がどれほど深刻な家庭崩壊現象であるかを示しています。

では、なぜ虐待は増加の一途をたどっているのでしょうか。それは、虐待の背景にある結婚の意義を軽視する風潮が放置されているからです。

虐待事件の加害者の4割は、養・継父または「内縁の夫」です。実父、実母でも離婚経験者が少なくありません。この事実は、虐待が増える背景に「個人の自由」に偏った結婚観があることを示しています。

男女の愛情に加え、結婚で大切なのは生まれてくる子供の幸せに対する責任意識です。しかし、「両性の合意」のみが強調され、出産や子育てについての責務を軽く考えてきたのが戦後の日本です。虐待の増加はその結果と考えるべきでしょう。

指摘したように、法律だけでは虐待を防ぐことはできません。中長期的な取り組みになりますが、家庭、学校、地域社会、行政のすべてを動員し、若者に正しい結婚観を伝えることによってのみ、児童虐待は根絶できるのです。