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2013年8月の「家庭の日」メッセージ

虐待防止は性道徳の確立から

親や同居する大人などが子供に暴力を振るったり、養育を放棄したりする児童虐待が深刻化の一途を辿っています。厚生労働省によると、全国の児童相談所が昨年度に対応した虐待件数は6万6807件。22年連続の最多更新です。さらに死亡した子供は58人。虐待の最悪のケースである死亡事例は児童相談所、警察をはじめとしたあらゆる機関とマンパワーを総動員して、一刻も早く撲滅しなければなりません。と同時に、「身体的虐待」「育児放棄」「性的虐待」「心理的虐待」の4つに分類される虐待は子供の心を深く傷つけます。その結果、他者への信頼感が育ちにくくなって、その後の人生を非常に困難なものにしてしまいます。このため、虐待被害児そのものを早くなくすことも急務です。

しかし、平成12年に児童虐待防止法が成立する一方、児童相談所で対応する児童福祉司も倍以上になりましたが、虐待増加にまったく歯止めがかかりません。その原因は、対策が核心からそれて、対症療法に終わっているからです。

では、児童虐待の根本的な原因はどこにあるのでしょうか。2つ考えられます。1つは性道徳の乱れであり、もう1つは社会の絆が弱くなったことです。厚労省が虐待による死亡事例を分析したところ、加害者は10代が多く、しかも「望まない妊娠」が背景にあることが分かりました。結婚の意義を深く考えずに結婚したり、出産したりする親が社会から孤立して精神的に追い込まれ、そこから子供を虐待してしまうといったパターンが繰り返されているのです。

現在、第1子のうち4人に1人は親の結婚前に妊娠した子供です。物心両面の準備もなく、子供を産んだのでは子育ては重い負担と感じるでしょう。その上、肉親をはじめとした支援者が近くにいないとなれば、心理的に追い込まれて虐待は起きやすくなります。これを改善するには、まず若者の性道徳を確立することです。そして、家庭や学校で、子育ての責任を伴う結婚の意義を正しく伝えるとともに、社会の絆を取り戻し、子育て家庭を支える環境づくりが大切です。それなくしては、どんな対策を採ったところで、虐待被害児をなくすことはできないでしょう。