「家庭の日」メッセージイメージ

2013年9月の「家庭の日」メッセージ

「観光立国」妨げる不快な車内広告

今年上半期に日本を訪れた外国人観光客の数が495万人を突破し、上半期としては過去最多を記録しました。政府は今年1年間の目標を1千万人としています。訪日客は上半期よりも下半期が多くなる傾向がありますから、目標達成が可能な状況です。

2030年までに外国人観光客を年間3千万人超まで増やし、日本の「観光先進国」を果たす——。これが政府のビジョンです。このまま観光客数が順調に伸びれば、その最終的な目標達成も夢ではないでしょう。

日本とアジアの航空路線網拡充、観光ビザ免除国の増加、それに政府挙げての広報活動の強化などが実って、外国人観光客の増加につながっているようです。しかし、日本が名実共の観光先進国となるには改善しなければならない点もあります。

その一つは、電車内の中吊り広告でよく見られる週刊誌などのヌード写真付きの広告です。海外では、車内広告自体がない国が少なくありません。ましてや、人目を引く効果を狙って、水着姿の女性の写真広告が子供も乗る電車内に公然と掲示されている光景は異常と言うほかありません。

そればかりか、電車の中では、女性のヌード写真が掲載されたスポーツ新聞や週刊誌を堂々と広げる男性の姿も目にします。これではどんなに外国人観光客が増えたとしても、とても観光先進国とは言えないでしょう。公共の場にヌード写真を掲げることを厳禁している国もありますが、そのような国からやってきた観光客が日本の電車に乗ったら、どんなにか不快な思いをすることでしょう。これでは日本の「おもてなし」の心もだいなしです。

今年6月、富士山が世界遺産に登録され、また2020年の五輪の東京開催も決まりました。これらが追い風となって、外国人観光客はさらに増加することが期待されますが、電車内のヌード広告を放置するようでは「日本人は性モラルに欠ける」というイメージを世界に広めることになるでしょう。対策が急がれます。