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2014年3月の「家庭の日」メッセージ

「事実婚」の体外受精容認の撤回を

女性の晩婚化などで、不妊治療を受ける夫婦が多くなり、体外受精で産まれる子供が増えています。今や新生児の約32人に1人が体外受精による出産です。この体外受精について、日本産科婦人科学会(日産婦)は結婚していない、「事実婚」のカップルにも認める方針で、この春にも正式に決定するそうです。これに対して、私たちは強い危機感を抱いています。法律婚の意義と子供の幸せを軽視する不適切な医療行為だからです。

これまで日産婦の指針は、体外受精を行う場合の条件に、「婚姻」していることを入れていました。しかし、実際はそれを確認する戸籍抄本の提出がなくとも行われていました。法律婚を重視するという社会的責任を負う医療従事者の倫理観の欠如に驚かされます。

指針を見直す理由に、最高裁が昨年、民法による婚外子の相続格差に対して違憲判断を下し、その後、民法改正によって相続格差がなくなったことを挙げています。しかし、結婚していないカップルにも体外受精はすでに行われていますから、民法改正をきっかけに、医療施設の経営上、さらに体外受精を増やしたいとの思惑があるのでしょう。

体外受精を施す場合、医師が考慮すべきは夫婦の幸せとともに、産まれてくる子供の幸せです。その意味からすると、「事実婚」のカップルに、子供の将来に責任を持つ意志が本当にあると言えるのでしょうか。そもそも医師が事実婚か、そうでないのか、を見分けることはできませんから、指針から「婚姻」を外すことは、体外受精をあらゆるカップルに容認するに等しいと言えるでしょう。

日産婦の指針見直しには、数々の疑問が湧いてきますが、一部に子供の数が増えることにつながるとの見方があります。しかし、社会の基盤となる家族制度を混乱させるとともに、子供の幸せを二の次にした少子化対策は論外です。日産婦は指針見直しを撤回すべきです。