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2015年5月の「家庭の日」メッセージ

児童ポルノ根絶に向け漫画の規制を

子供のわいせつな写真の「単純所持」を新たに禁止する改正児童ポルノ禁止法が施行されてから7月で1年になります。それまでの同法は製造・販売、あるいは販売目的の所持は禁じていましたが、個人が趣味で所持することは規制の対象外でした。

「観賞用」などとして所持するだけでも犯罪とするのが国際的な流れです。遅きに失した感はありますが、わが国が単純所持を禁止したことは、児童ポルノの根絶に向け、一歩前進したと言えます。

改正法は、自己の性的好奇心を満たす目的で児童ポルノを所持した者に、1年以下の懲役または100万円以下の罰金を科すことを定めていますが、既に所持している者に自主的な廃棄を促すため、1年間は罰則を適用しないことになっています。7月にその”猶予期間”が終わるわけです。

残念ながら、わが国では、児童ポルノ事件の増加に歯止めがかかりません。昨年、同法違反で送致された件数は1828件。これは7年前の3倍強です。単純所持の禁止によって、この恥ずべき状況が改善されることを期待したいところですが、性的好奇心を満たす目的の所持に限定されていますから、劇的な改善は難しいでしょう。

子供に性的虐待や性犯罪を加えて製造される児童ポルノを根絶するカギは、子供を性欲の対象とする風潮をなくすことです。そのためには社会全体で取り組まなければなりませんが、単純所持禁止に続く法的課題としては、現在野放し状態のわいせつ漫画・アニメ等の規制が急務です。これらが子供を性欲の対象とする風潮を助長しているのは明らかなためです。

2008年に、ブラジルで開かれた「児童の性的搾取に反対する世界会議」でまとまったリオ行動計画には、子供をわいせつに描いた漫画・アニメも禁止する必要性が盛り込まれています。わが国には単純所持の禁止だけでなく、この面でも国際的要請に応える責任が残されているのです。