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2015年6月の「家庭の日」メッセージ

生殖補助技術に歯止めを

晩婚化が進むにともない、不妊に悩む夫婦が増えています。その結果、生殖補助技術に頼って出産する人が多くなっています。

たとえば、日本産科婦人科学会のまとめによると、2012年に体外受精で生まれた子供は約3万7953人に達しています。同年の総出生数は103万7101人ですから、28人に1人が体外受精で生まれた計算です。20年前は、461人に1人でした。

そんな中で、懸念されるのは生殖補助技術の乱用です。タイで、日本人男性が何人もの赤ちゃんを代理出産させた騒動は記憶に新しいところです。日本でも昨年、長野県の産婦人科医が夫の父親の精子を使った体外受精で100人以上誕生させたことを明らかにしました。

タイや長野のケースは極端な事例と考える人がいるかもしれません。しかし、すでに1万人以上が生まれている第三者の精子を使った人工受精(AID)も大変深刻な問題を引き起こしています。ドナーの匿名性から、生まれてくる子供は「自分は誰の子なのか」という葛藤を抱えて生きることを強いられる場合が少なくありません。

子供を生み育てたいという思いは、だれもが持つ自然な願望です。しかし、夫婦間の妊娠の補助、つまり「自然の摂理」を超える形で医療技術を使うことは大人のエゴと言うべきでしょう。

不妊に悩む夫婦は今後も増えます。妻が夫の”弟”を出産するような不自然なケースをなくすためにも、生殖補助技術が夫婦間の妊娠補助を超えないように制限する制度整備を急ぐ必要があるでしょう。