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2015年10月の「家庭の日」メッセージ

家庭再生で出生率アップを

安倍晋三首相が「1億総活躍社会」の実現を掲げて「新三本の矢」を打ち出しました。国内総生産(GDP)600兆円、希望出生率1.8、介護離職ゼロの三つです。いずれも容易に実現できる目標ではありませんが、出生率のアップはとりわけ困難な課題です。政府の政策に加えて、家庭がその役割を果たすことが求められ、家庭の再生が進まなければ不可能と言っていいでしょう。

昨年の出生率は1.42。過去最低だった1.26(2005年)よりアップしましたが、人口を維持するために必要と言われる2.07には遠く及びません。現状のままでは日本の人口は2060年に8700万人を切るとの推計もあります。このため、政府は2020年代半ばに出生率を1.8にし、人口1億人を維持することを目標にしています。

子供の数が減った大きな要因は非婚・晩婚化です。30歳代前半では、男性の半数近く、女性では3割近くが未婚となっています。特に女性の場合は30代後半になると、生物学的な理由から妊娠するのが難しくなりますから、出生率を上げるためには若いうちに結婚して出産することが大切なのです。

しかし、政府は結婚や出産・子育てしやすい環境を整えることはできても、結婚しようとしない若者の意識を変えることはできません。その役割を主に担うのは家庭です。戦前の経験から国が出産を奨励することには社会のアレルギーが残っており、政府が出生率1.8という数字を掲げるだけでも「出産の押しつけ」との批判が出たほどです。

また、若い世代が結婚や出産・子育てについて幸福をイメージし、「結婚したい」と望むようにすることは政府任せではできないことです。それは愛に満ちた家庭の中で、親から子に体験的に伝えられるものだからです。健全な次世代を育てる家庭の再生運動は、日本の将来を大きく左右するものなのです。