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春夏秋冬つれづれノート

ジャーナリスト 堀本和博

“セカンドライフ”のスタート年

子(ね)年の平成20年(2008)が明けまして、新年おめでとうございます。子年というのは時刻・方角に用いた十二支で獣(けもの)の名に鼠(ねずみ)を配した年で、来年は丑(うし=牛)年、再来年は寅(とら=虎)、その次は卯(う=兎)、以下、辰(たつ=竜)、巳(み=蛇)、午(うま=馬)、未(ひつじ=羊)、申(さる=猿)、酉(とり=鶏)、戌(いぬ=犬)、亥(い=猪)と続く。

これに天地万物生成の要因を、木(もく)・火(か)・土(ど)・金(ごん)・水(すい)の五つとし、古代中国の哲学では「五行(ごぎょう)」と呼び、それぞれを陽(兄=え)と陰(弟=と)に分けて十干(じっかん)として、主に年月を表すのに用いた。

この十干・十二支の干支(えと)を甲(兄)子(きのえね)、乙(弟)丑(きのとうし)——と順に組み合わせて年に当てはめると、60年でひとめぐりし、61年目には最初の干支に還(かえ)ることから満60歳を「還暦」という。暦の本にはそんな解説をしている。

今年は、満60歳となり、その還暦とやらを迎える年である。こういう時は横文字に言い換えると便利で、”セカンドライフ”のスタート年と書くと洒落た響きに聞こえる。

それでも、とうとう迎えてしまったよぅ、というのが正直なところ。年明けの清新な気持ちの中に戸惑いも膨らむから、あまり大まじめに「おめでとう」を言われても、つい「よしてくれ」と照れてしまう。

私は、父親をはじめ父方の家系が30、40代という早死にの家系だったことも影響して、若いころから長生きするとは思っていなかった。だから、50歳となって「ようやく親父を超えられた」と、まるで長寿を感謝する長老のような感謝をしたものである。

「40にして惑わず、50にして天命を知る『孔子は』60にして耳順(したが)う」と言う。「耳順う」とは、人の言葉を何でも素直に聞ける——の意。と、解説するのは易しいが、さて実行となると、これまた難題で戸惑ってしまう。