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愛の知恵袋5

家庭問題トータルカウンセラー 松本雄司

一家団欒してますか

失われゆく家族の絆

一緒に住んでいれば家族になれるという時代は終わった」と指摘したのは、「家族をする家」の著者、藤原智美氏ですが、この言葉が決して誇張とは言えない現実があることを痛切に感じます。

最近目立つ家族間のトラブル、そしてその結果として起こる悲劇的な事件の数々。これも家族の絆が非常に希薄になってきている事の現れと言えます。戦後の日本では、高度経済成長期と共に全ての分野で会社化が進み、サラリーマン社会になりました。それと共に、「大家族時代」から「核家族時代」になりましたが、しかし、今はその時代もとっくに過ぎて「超個人主義時代」になってしまいました。

父親はパソコンに見入り、母親はテレビに向かう。息子はゲームに熱中し、娘は携帯メールに余念がない…。家族一人一人が思いのままに暮らしているので、同居人ではあるが、“家族だ!”という確かな実感がないのです。

立派な造りの家で、家の中は最新式の電化製品がそろっている。しかし、そこに住んでいる家族同士の会話は乏しく、一家団欒もない…。もしかして、“沈黙の要塞”?。

今、そういう家庭が多くなっています。

絶滅寸前の“一家団欒”

“家族になる”ということは”家族が絆で結ばれる”という事にほかなりません。

なぜ、現代は家族の絆が結びにくくなったのか?…と考えるとき、その大きな原因の一つは「一家団欒の喪失」にあると思います。

ここで一つ質問です。「あなたのご家庭では、朝ご飯を家族全員で一緒に食べておられますか?」また、「夕ご飯はいかがですか?」

私は各地に講演に行った時よく聞いてみるのですが、「はい」という答えは、朝食については都会で1割、地方で2割ぐらい。夕食でも都会で2割、地方で3割といったところです。

さらに、もう少し詳しく聞いてみると、「一緒に食事をしてはいるが、一家団欒は出来ていない」という家庭も少なくありません。

ひとつの原因は、テレビをつけて食事をしているから。もう一つの原因は、せっかく家族みんなで食卓についているのに、日頃の不満をぶつけたり、お説教をしたり、仕事の話ばかりするので楽しい会話にならないからです。

一家団欒がはぐくむ家族の絆

古今東西を問わず、私達が家族で共有する中心テーマは、おそらく”食べる”ということでしょう。お母さんが作ってくれたおいしい料理を食べながら、家族のおしゃべりが弾む。そんな一家団欒を、何百回、何千回と積み上げて行くときに肌身に染み込むように伝わってゆく情感、家族の温もり、いとおしさ…。その積み重ねが紡いでゆく家族の絆。それは目には見えないものなので、日頃はあまり気がつきません。

しかし、家族と別れて暮らすようになった時、心に感じる何とも言えない寂しさ。そして、父や母が死んだ時、初めて思い知らされるあの胸の張り裂けるような痛み。いったい自分のどこに隠れていたのかと思うばかりの腹の底から突き上げてくる熱い感情、慟哭の涙。そのとき私達はいつしか築かれていた”家族の絆”の深さを身を持って知らされます。

私達が深い心の絆で結ばれた家族になるためには、“楽しい一家団欒”は不可欠の要素だと思います。

では、我が家に一家団欒を取り戻すにはどうしたらよいのでしょうか。今日からでも出来ることを五つほどあげてみたいと思います。是非皆さんも取り組んでみて下さい。

一家団欒実現?五つのポイント

  1. 孤食を減らして、家での食事を増やす。
  2. 食事時間には、家族が集まる。
  3. 食事中は、テレビを消す。
  4. 説教は控え、明るい話題を選ぶ。
  5. 余暇は家族一緒に楽しむ機会を多く取る。

    (例) 家族での旅行、キャンプ、ハイキング、山登り、魚釣り、潮干狩り、花見、紅葉狩り、各種スポーツ、家族で出来るゲーム…など。