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誌上講演会

真の家庭運動推進協議会会長 徳野英治

人間として大切なことはすべて家庭で学べる(下)

希薄になった夫婦・親子関係

離婚が増え、家庭が崩壊する最大の原因は、夫婦の関係が希薄になっていること、単刀直入に言うと浮気です。特に夫の浮気が大きな原因で、妻の浮気もあります。

男性にお願いしたいのは浮気をしないことです。そんなことは分かり切っているという人が多いでしょうが、これがどれほど難しいことかは、自分の胸に手を当ててみると納得がいくでしょう。この素朴な決まりを守ることが、家庭崩壊を避ける大前提で、もちろん、女性にも浮気をしないよう言わなければなりません。

夫が浮気をしたくなる要因の一つに、妻からの口撃があります。その威力は弾道ミサイル並みです。たとえば、「お隣のご主人は出世したようで、ベンツに乗っているわよ。我が家はいつになったらベンツに乗れるの」と、誰かと比較して夫を非難します。それが男のプライドを傷つけ、妻への不信感を募らせるのです。

女性にお願いしたいのは、夫に小言を言わないこと、口うるさく責めないことです。むしろ、あるがままの夫を受け入れ、姉や母のように温かく包んであげてください。男性はそれだけで心が癒やされ、妻への愛をよみがえらせるのです。夫婦円満の秘訣はそんなところにあります。「私は妻であって、母ではない!」と言う女性もいるでしょうが、それは男性の心理を知らないからです。

ありふれた表現ですが、私たちは背中で子供たちを教育しています。自らが模範を示さないで、子供の教育ができないのは言うまでもありません。父親と母親が信じ合い、助け合い、仲良くしている姿こそが、子供たちに対する最大の教育なのです。

親子の関係も希薄になっています。私が知っている父親が大学教授、母親が高校教師という家庭では、子供が3人いながら、家族一緒に食事をしたことがないというのです。それぞれ一人で食事して、職場や学校に出かけるので、親子の会話はありません。夫婦関係と親子関係の希薄化が家庭崩壊の根本要因で、特に、親子関係に最も影響するのが夫婦関係です。

若者に純潔の尊さを

今の若者たちに純潔の尊さを教えることは至難の技です。性のモラルが低下し、婚前交渉が当たり前になっているからです。結婚するまではセックスしてはいけないと言っても説得力がありません。自分に合った人と結婚するためにも、いろいろな異性を体験すべきだという考えがほぼ主流だからです。だからこそ、私たちは若者に性の大切さをしっかり教育しなければなりません。結婚前は純潔を守ることが極めて重要です。

人生において経験は貴重で、経験を通して視野が広がり、さまざまな事情や立場にある人の気持ちを理解することができるからです。いい歌手になるためには、どんどん恋愛をしなさいと教える音楽教師もいます。しかし、男女の愛だけは別問題です。経験を通して、愛の清さという最も尊いものを失ってしまうからです。

何人もの異性を経験してしまうと、結婚生活の中でつい昔の相手のことを思い出してしまいます。昔の恋人のほうがよかったという気持ちから浮気心が湧いて、離婚に至ることもあります。婚前交渉の多い人ほど離婚する傾向にあることが、統計上分かっています。

「どんな人と結婚したいですか」と聞かれて、「何人もの異性と関係したプレーボーイ、プレーガールと結婚したい」と答える人がいるでしょうか。誰もが異性を経験したことのない清い人と結婚したいと思うのが人間の本性です。

結婚式で、私たちが配偶者に捧げる最高のプレゼントとは何でしょうか。ダイヤの指輪でも、高級マンションでも、華道や茶道の資格でもありません。いかなる異性にも明け渡したことのない清らかな心と体こそ、最高の宝物なのです。

互いに貞節を守る夫婦

夫婦愛を保つ上で一番大切なことは、互いに貞節を守ることです。真の家庭運動推進協議会の理念の提唱者である文鮮明先生は、それをさらに進めて「自らの生殖器の主人は自分ではなく、配偶者である」という愛と性の哲学を唱えています。これは非常に重要な考え方で、このような考えを打ち出した人は今までいませんでした。

自分の生殖器は自分のものなので自分勝手に使っていい、いろいろな異性と関係してもいい、という考えから浮気が生まれ、フリーセックスになるのです。配偶者のみが私の生殖器の主人であり、その人以外に生殖器を使ってはならないという哲学を持つべきです。

結婚までは、将来の配偶者のために、自分の生殖器を清く保つ、絶対に他人に明け渡さない。それは将来の配偶者に捧げる最高のプレゼントだからです。結婚した後には、自らの生殖器は配偶者のみに委ね、ほかの異性に委ねることはしない。この哲学によって性のモラルを貫くことができます。

夫婦は互いの生殖器の主人であり、共有者であるというのは、非常に深い哲学であり、尊い哲学だと言えます。さらに、愛の清さは血統の清さにつながります。両親の愛は子供にも受け継がれるので、その責任からも、私たちは自らの愛の清さを大切にしなければならないのです。

愛を育て、ために生きる

家庭は私たちにとって最高の人生の道場であり、愛を学ぶ学校です。子供として生まれると、最初に兄弟愛を体験します。やがて年頃になると、異性に関心を持ち、恋愛をし結婚することで、男女の愛、夫婦の愛を体験します。やがて子供が生まれると親の愛を体験し、さらには孫を持つことによって祖父母の愛を体験するようになります。

さまざまな愛を体験する意味では、三世代同居が理想的です。同居できなくても、よく交流できるようにしたいものです。祖父母は過去、親は現在、子供は未来を象徴します。過去、現在、未来がつながる時間の流れの中で、家族がそれぞれの心情を育てることが大切なのです。

兄弟愛、夫婦愛、親子愛、その延長線上に人類愛、そして人類一大家族世界があります。人間として経験する基本的な愛情を全部学ぶことができるのが家庭です。

文鮮明先生は「為に生きる」哲学も説いています。相手のために生きるという考えで人生を貫く人は、必ず成功します。幸せな家庭を築き、社会の主人公になれます。夫は妻のため、妻は夫のために生きる、親は子のため、子は親のために生きる、兄は弟のため、弟は兄のために生きる、それが理想的な家庭です。

相手のために生きれば、多くの人から尊敬され、慕われ、平和のつくり主、幸せの創造者となれるでしょう。シュバイツァーやガンジー、マザー・テレサのように人類のために生きた人は聖人と呼ばれています。より大きなもののために生きる人こそが、人類社会に幸せと平和、繁栄をもたらすのです。

性と愛の哲学、為に生きる哲学を自らのものとし、若者たちを正しく育て、家庭や地域社会の主人公になってください。