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春夏秋冬つれづれノート

ジャーナリスト 堀本和博

ひまわりと朝顔、子供たちの夏休み

子供たちの夏休み、真っ盛りである。学校を中心に授業と体育、給食に掃除など時間割の日課から解放された子供たちは、一日の生活が家庭を中心とした生活に変わった。行動範囲も大きく広がり、どう過ごさせたらいいのか、対応に戸惑う親御さんも少なくなかろう。

夏休みは日頃、親が学校任せにしてきた子供の成長に、真正面から向き合い、親子のコミュニケーション不足を一気に挽回できる絶好の機会である。一緒になって子供の勉強を見たり、特に都会の子供にはキャンプや臨海学校、旅行などに積極的に参加させ、海や山、川など田舎の自然の中で遊ばせたい。動物や昆虫、植物などと直に触れ、観察する生の体験から、机上で学んだ知識が生き生きとしたものに深まる。週に何回か、家族全員で夕食を囲み談笑する中で、子供たちの体験話にじっくり耳を傾け、子供の成長した姿などを捉えると、理解も一段と深まろう。

また、地域とも積極的にかかわるよい機会である。恒例の朝のラジオ体操や祭り、盆踊りなどのイベントなどに参加することは、年齢の違う子供たちとの交流や、地域とのコミュニケーションを通して子供の社会性を育てるよい機会となろう。子供は集団のルールや弱者を助ける社会ルールを守ることを自然に学び成長していく。それを深い愛情で見守る親の努力が求められるのである。

特に、社会に衝撃を与えた通り魔事件などの加害者に共通するのが、親に異常な恨みを抱いていたり、家族との関わりが極めて希薄なこと。それが分かってくると、少年時代の家庭内コミュニケーションがどんなに大切かが分かってこよう。

さらに家庭では、自主的な勉強だけでなく、掃除や洗い物など家事の手伝いもさせたい。近頃は手伝いなどを軽視する親が少なくないが、それは間違っている。家庭での役割分担、奉仕を通して、人に役立つことの喜びの実感が、子供に生きていることを実感させ生命力を育てる。家庭での子供の居場所を作り、心を安定させる効果が大きい。反対に、親の不干渉をいいことに、とり憑かれたようにテレビゲーム漬けになる子供を放置したままにしておくと、どんな結果を招く恐れがあるのか、親はよく考えるべきだ。

ひざぐらいだった畑の向日葵が真夏の一週間ほどで見上げるまでの高さに。それに、何食わぬ顔して涼しげに咲く庭の朝顔の風景。

〈炎熱や勝利の如き地の明るさ〉中村草田男。〈朝顔に釣瓶取られてもらい水〉加賀の千代女。