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誌上講演会

真の家庭運動推進協議会副会長 稲森一郎

人類よ、宇宙の本質に回帰せよ

宇宙の秘密を解くマジック・ナンバー「二」

今や、科学の最前線は、物質の根本が何であるかを解明せんとしています。物質は分子構造を持つことは知られていますが、分子は原子から成っており、その原子は素粒子から成っています。たとえば、原子核のなかには、陽子と中性子が入っており、この二つはクォークという素粒子から構成されています。クォークには「アップ、ダウン」、「チャーム、ストレンジ」、「トップ、ボトム」の6種類がありますが、陽子はアップクォーク2個とダウンクォーク1個からできており、中性子はアップクォーク1個とダウンクォーク2個から構成されています。

クォークが、アップとダウン、チャームとストレンジ、トップとボトムのそれぞれ対(ツイ)構造によって、6種が生み出されていることは、物質構造の本質が「対」すなわち「二」という数字と深く結び付いていることを意味します。

さらに興味深いことに、負の電荷を持つ電子という粒子に対して正の電荷を持つ陽電子が存在します。正の電荷を持つ陽子に対しては負の電荷を持つ反陽子が存在しています。電荷の正負が反対の粒子が存在するのです。このような「粒子」と「反粒子」の対は宇宙の本質を考える上で、わたしたちに非常に重要な啓示を与えてくれています。

相対数「二」による理想世界

素粒子に限らず、自然界のさまざまの存在が「二」によって構成されていることは、少し調べれば分かることです。「二」というかたちが分裂して争えば、自然界は破壊されてしまう運命にあります。「二」が深く関係し合い、仲良く寄り添っているからこそ宇宙も自然も存在しているのです。人間も例外ではありません。

地球星を見てみますと、70億人近い人類が暮らしています。その数がどれほど多くても、最終的には男性と女性の2種類の性別に帰結します。そして大きくは、東洋と西洋の二つの地域、或いは、北半球と南半球の二つの地域に特徴的な文明や文化を形成しながら暮らしています。

地球は北極と南極を持ち、その二つの極を貫く地軸を中心として自転しながら、太陽の周りを公転しています。自転と公転の二つを同時進行させているわけです。また、地球は恒星である太陽の周りを公転しながら、衛星である月を地球の周りに公転させています。地球に強い影響を与えている「恒星の太陽」と「衛星の月」という二つの星とともに生きているのが地球という星です。

人間も自然界も、限りなく「二」というマジック・ナンバーにとりつかれており、それから離れることができません。現代のIT社会は、コンピューター社会です。コンピューターにおける数学の原理は、二進法を中心としています。1と0の二つの数字のみで複雑なコンピューターの仕組みを作り上げていきます。この可視的な三次元の物質世界を作り上げているのは「空間性」の要素ですが、それに不可視的な「時間性」の要素が加わり、世界は出来上がっています。時空という二つの要素がここにもあります。例を挙げれば、きりがありません。

対構造を取っているこの世界は、「二」という数字によって、「ギブ・アンド・テイク」による調和を紡ぎ出そうとしているのです。調和は平和を意味し、愛と幸福を意味します。しかし、もし「二」が調和を生み出せなければ、「二」は不安定さを意味するものとなり、争いや不幸の種になることも事実です。

たとえば、「男は面倒臭い。私は一人で生きていくわ」という女性、あるいは、「女はどうも分からん。気軽に、一人で、結婚をせず、生きていこう」という男性がいたとすれば、それは宇宙の本質を形作っている「二」の調和を否定することになり、そのような生き方の中に、愛を見出すことはできず、幸福を見出すこともできません。個人的な楽しみ事で頭をいっぱいにしながら、自己中心的な生き方をするしかなくなります。しかも、子孫もなく、その人限りで終わり、生命の連続性である血統を打ち立てることもできなくなります。虚しさの残る人生です。

神様は、人間に対して、或いは自然界の生き物たちに対して、「二」が一つになり、調和していくことによって幸せになるような根本法則を定められました。これは厳粛な法則であり、「二」による相対的な関係の中に、理想世界を創出することを求められたのです。

21世紀は相対数「二」の完成に向かう時代

人類は、不幸な歴史をたどってきました。その理由は簡単です。「二」の相対理想を完成できなかったからです。心と体が争い、男と女が争う世界、東洋と西洋が争い、北半球と南半球が争う世界、「持てるもの」と「持たざる者」が憎しみ合う世界、政府と国民がいがみ合う世界、隣り合う二つの国が争う世界、「二」が正しく「ギブ・アンド・テイク」できず、不協和音を絶えず奏でる世界を作ってきたのです。

西暦2000年代は、文字通り、「二」の数で支配されている時代です。この時代が千年間も続きます。聖書で言う「千年王国」とは、これからの千年間において、全世界、隈なく「二」の相対数が美しい相対理想として完成され、平和な世界を人類は享受するようになるであろうということであると解釈できるでしょう。21世紀の歴史的命題があるとすれば、それは「二」を相対理想として完成させることであります。夫婦一体、親子一体、兄弟一体、心身一体、東洋と西洋の一体、すべての「一体」を成就させるときが21世紀です。二にして一、一にして二、という単純明快な宇宙の根本真理、まさしく、それは宇宙の本体であらせられる神様ご自身の姿であると言ってもよいものですが、この真理を人類は完成成就しなければならないときに来ています。

二数は一と一が合わさって一つの完全な姿を形作るという暗示があり、従って、一つだけでは完成しないという宇宙の法がそこには隠されています。ですから、自分が偉いのではなく、相手がいて下さるから自分も完成する道がある、という謙虚さと感謝がおのずと満ちあふれる男女一人一人でなければならないという結論です。わたしがいるからあなたもいる、ではなく、あなたがいるからわたしもいることの意味がある、あなたがいなければ私一人だけでは何の意味もない、というふうに理解すべきです。相手に対する限りない感謝、これが夫婦の根本であり、それこそが宇宙の法に叶う精神なのです。そういう気持ちで暮らす夫婦を神様は喜ばれるのです。

家庭理想は相対完成によって成される

家庭は、相対数「二」がぎっしりと詰まったところです。夫婦、親子、兄弟、姉妹、まさに「二」数で出来上がったところです。理想的な家庭を作りましょう、というスローガンは、「二」の相対理想を完成させましょう、というのと同じことです。たとえば、「愛」ということば、「二」という相対関係がなければ、「愛」も何もありません。一人で「愛」を叫ぶことはできません。夫があってこそ、妻の価値があり、妻があってこそ、夫の価値がある、これが宇宙の本質です。夫を成長させるのは妻であり、妻を成長させるのは夫であります。父母を円熟させるのは子女であり、子女を成長させるのは父母です。兄を兄らしくさせるのは弟であり、弟が弟らしいのは兄があるからです。すべては「相手がカギを握っている」のです。相手は、自分にとって「神様」なのです。相対に感謝するとき、そこから愛と喜びと幸福と平和が生まれてきます。