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父の子育て 17

コラムニスト 大森浩一郎

親の生き方そのものが教材

「真の家庭」編集部のK氏によれば、本連載を読んだ感想文が毎月送られてくるそうである。いただいている感想文は、おおむね拙文に好意的な内容であるようだ。感謝したい。

著者にとって、読者からの感想は最大のエネルギー源となる。感想が一つも寄せられなければ、力は出ない。会話と同じだ。自分だけ一方的にしゃべっていたら疲れるだけである。自分の言葉に対し、なにがしかの言葉を返してくれるから、おしゃべりは楽しいのである。

本連載に限らず、さまざまな書籍や雑誌の感想を、ぜひ編集者や著者に送ってほしい。受け授ける関係からは、より良きものが生まれてくるからだ。良き文章は、良き読者から誕生する。

おっと、つい話しが逸れてしまった。本論に入る。

実は、本連載の原稿の中には、数年前、ある雑誌に掲載していたものも含まれている。当時、次のような感想文をいただいたことがあった。

「これは実話ですか? 何の不安もなく、子育てしている人はいないと思います」

もちろん実話である。成功事例ばかりを書いていたので、自信満々に子育てをしているように伝わったのだろう。しかし、実際には私も子育てに不安がある。失敗もたくさんしている。

例えば、一番下の息子は保育園のころ、かなりの悪戯好きだったので、何度も雷を落とした。寒い冬の夜に、家から締め出したこともあった(むろん、短い時間)。それがトラウマになっているのだろう、小学5年生になる今では、何かにチャレンジするたびに私の顔色をうかがうようになってしまった。

失敗は誰にでもある。人間である限り、それはあきらめるしかない。私がモットーとしていることは、失敗を失敗で終わらせないということだ。失敗から謙虚に学び、成功に生かそうと日々努力する姿勢を、決して忘れないように心掛けている。そして、そのような私の生き方、つまり「お父さんの背中」を見て、子供たちに育ってもらいたいと願っているのだ。

「人生とはなぁ…」と、子供に偉そうなことを言っても、あまり効果はない。同じ屋根の下で生活しているのだから、子供たちは親の生き方をよく見ている。子供たちにとっては、親の生き方そのものが教材なのだ。