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春夏秋冬つれづれノート

ジャーナリスト 堀本和博

花言葉「たゆまぬ努力」のグラジオラスは6月の誕生月花

グラジオラス写真

暑さ寒さも彼岸まで——というが、今年の春は4月半ばに東京で40何年ぶりの雪が降るほどで、下旬までは平年より気温がだいぶ低かった。そのために、せっかく植えたきゅうりやなすの苗を枯らせてしまった、とぼやく人もいた。

私の住まう東京郊外の猫のひたいほどの広さ(狭さ)の市民農園で、春から野菜作りを始めたことは昨年9月号の小誌で書いたが、今年はその2年目である。”せめてわが家で食べる野菜ぐらいは自給自足で”と意気込んだのはいいが、結果は春植え野菜で十分な収穫を得たのは春菊とミニトマト、それにオクラぐらい。まあまあがカブとししとう。肝心のきゅうりとなす、ほうれんそうはそれぞれ虫害、病害、生育不良、土地の中和化不足で発芽せず、などと散々の成績だった。

秋植え野菜は、春菊と水菜は上手くいって、特に水菜はわが家だけでは食べきれないほどできた。あと大根は15本ほど採れたが、家内に言わせると、とても生で食べて美味しい出来ばえではない。結局、ぜんぶ漬物用にまわってしまった、という次第。

まあ、右も左も分からないズブの素人が市の公募に当たったので、突然、仕事前に早起きしてドタバタで始めたのだから、上手くいく道理はない。で、少し勉強して2年目のチャレンジとなる今年は、昨年駄目だったきゅうり、なす、それにほうれん草をやってリベンジしよう——なーんてことは、ぜんぜん思わなかった。

今年は、昨年上手くできなかったこの3つの野菜は回避して、ゴールデンウイークに沖縄の苦瓜ゴーヤ、春菊、水菜、オクラの種を蒔き、ミニトマトとししとう、それにレタスの苗を植えたのである。

春菊、水菜、オクラは昨年上手くいったものばかり。それもそのはずで、手入れは種を蒔いて芽が出るまでと、出てからの数日間だけ、しっかり水をやっておけば、あとは放っておいても虫もつかず、自分で成長していってくれる。確実に収穫できる楽ちんな愛すべき、まさに素人の私向きの野菜である。

それと今年のわが畑は、もう一つ彩りある楽しみができた。昨年9月号の拙稿を読まれた愛読者の方から、グラジオラスの球根を送っていただいた。それを野菜畑の一角に植えたのである。梅雨の雨を一杯に浴びて、今はその命を熟成させている。

花も野菜も、お楽しみはもうすぐ。梅雨の6月はアジサイを思い浮かべるが、花色豊かなグラジオラスはバラとともに6月の誕生月花。花言葉は「たゆまぬ努力」である。