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誌上講演会

2010年4月18日 第7回東広島ファミリーフェスティバルでの講演より
真の家庭運動推進協議会会長 梶栗玄太郎

心身統一で真の幸福を

心と体を統一することで、人格の完成、家庭の完成があり、その先に世界平和実現の道があります

人類歴史は戦争の歴史

幸福とは何でしょうか。解答がないような疑問ですが、それは欲望を満たすことです。では人間の欲望とは何か。それには人間とは何かが分からないといけません。

人間は心と体の二つからなっています。人間は心身が統一された時、幸せを感じるのです。簡単なことなのですが、これが誰もできていないのです。”心頭滅却すれば火もまた涼し”と言って火の上を歩く修行僧のように、一時的に心身統一された状態があるかもしれません。しかし継続しないのです。心と体はすぐに分かれて争うようになります。したがって「幸福とは何か分からない」という結論になります。

なぜ心身が統一できないのでしょうか。皆さん、朝から晩まで心身が分かれて戦っているでしょう。朝、目が覚めた時、起きなければと思うでしょう。これは良い方の思いです。しかしもう少し寝たいとも思うでしょう。これは悪い方の思い。こうした小さな戦いが朝から晩まで四六時中、24時間、一年中続いています。

しかも、それが私個人なら一人の心と体の戦いですが、64億の人類が、64億の善の側と悪の側に分かれて、激しく対立しているのです。まさしく人間は戦争状態です。人間の内面が戦争状態ですから、外に現れる歴史もまた戦争です。人間は有史以来、六千年間に一万五千回の戦争を引き起こしてきたのです。人類歴史は平和でなく戦争の歴史といっても過言ではありません。だから幸せがあっても、戦争と戦争の間の一時的な平和でしかないのです。

したがって恒久な平和、恒久な幸福というものを味わった人間は残念ながら一人もいません。

それでもなぜ人間は幸福を求めるのでしょうか。人間が心と体の統一体ですが、これはいったい何に由来するのでしょうか。根本の歴史を探れば解答が得られます。人間はどこからきてどこへ行くのか…。そもそもいったいこの世は誰がつくったのか…。

聖書の創世記第一章第一節に「はじめに神は天と地とを創造された」と書いてあります。神がつくったのです。天とは霊界であり、地とは地上界、宇宙です。その縮小体としてできたのが人間ですから、人間も目にみえない心と見える体、この二つの側面から成り立っているわけです。つまり、神を中心として心と体の統一体です。さらに神の何を中心として統一体でしょうか。神の一番重要な本質は何かというと、真の愛の力です。つまり、神の愛の力を中心として心と体が一つになったものが本来の人間なのです。その人は心身が統一されて、平和と幸福と自由と理想と喜びを感じることができる人になります。

それではなぜ今まで幸福が実現しなかったのでしょうか。それは神の真の愛を説く人が、地上に現れなかったからです。誰でも説けるものではないのです。すなわち心身の統一は神の子と呼ばれる人によってのみなされます。そう呼ばれる人は歴史上どこにいましたか。かつてイエス・キリストがそう言われました。

イエスは真の愛を中心として心と体を一つにして、世界平和を実現しようとしました。だから「悔い改めよ天国は近づいた」と言ったのです。しかし、世界平和を実現する前に、イエスは十字架にかかってしまいました。だから、再臨を約束されて昇天したのです。

今はその再臨の時代です。再臨主は結婚し、子女をもうけ、真の家庭を建設しました。その真の愛を中心とする、父母、子女、孫、そうした家庭が実現された時、その家庭は、いかなるものもこれを破壊することはできません。皆さんも、自分の家庭を中心として父母、自分の子供の家庭、そして孫たち、親子三代が一つの家族として住む大家族主義が理想です。それぞれが成長して勝利した個人となれば真の家庭となります。これは絶対に崩すことのできない家庭の基盤となります。中途半端では崩れてしまうのです。

人格と家庭の完成を目指す

人間の心は、知情意と愛の機能を持っています。新しいことを知りたいという知的追求欲、美しいものを追求する情的機能、それらの力で芸術や科学が発展します。意志力とは善を行おうとする力です。この三つを合わせて人格といいますが、この人格を形成することが人類の目的です。そして、その中心である愛は家庭で実現されます。人間の最高の欲望は愛の実現欲です。愛は健全な家庭の中で、成長してやがて完成する時がきます。人格完成と家庭完成が欲望を充足させ、心の喜びとなるのです。

次に体の欲望ですが、衣食住および性の欲望があります。それを充足するには豊かな経済基盤を確立することです。誰しも良いものを食べ、良いのものを着、良い家に住みたいと思うでしょう。その基盤の上に人格完成と家庭完成を成し遂げていけば、内外両面の欲望を充足させて本当の幸福が生まれてきます。

最後に性の欲望がありますが、これは勝手に取り扱ってはなりません。厳然とした法則があります。性は夫婦のみに許されています。一時的なものではなく、生涯愛さなければなりません。夫婦が本当に愛し合っている姿を見て、子供や、孫らが正しく成長していくのです。いろいろな事件が起きると社会や環境のせいにしたりしますが、家庭の環境が問題です。

結婚してできるのが家庭ですが、家庭は完成させなければなりません。今からでも遅いということはありません。心と体の統一をなし、家庭の完成を目指しましょう。

世界平和実現の道

心と体の欲望は個人のものですが、それを社会や世界に拡大してみましょう。すると世界の行くべき方向性が分かるでしょう。心の欲望を満たす人格完成と家庭完成は万民共通の目標です。衣食住の経済基盤の下にそれが実現できるのですから、世界的にみれば、世界全体が豊かな基盤を確立する必要があります。貧しい国があってはだめなのです。

北半球の欧米先進諸国、南半球の発展途上国、その中間層はアジア人が形成しています。将来、アジア人を媒体として上下を統一させるのが一番良いでしょう。ODAでいくら日本の金を送っても、その国のためになるとは限りません。本当に貧しい国を救うには技術の援助、自分の力で国を開発する自立性をもたらす援助が必要です。そして、世界の真ん中に世界平和高速道路、高速鉄道、発電所、インフラの大動脈を全世界に貫くことが重要です。そうすれば、そうしたインフラの影響を受けて国は豊かになることができるのです。精神面と物質面の両面から援助していけば、世界の恒久平和が生まれてくるでしょう。

今、米国やロシアなどが持つ核兵器の削減が問題になっています。しかし削減しても平和はきません。戦争がはじまったら、また増えます。なくしてもまた造るでしょう。仮に地上から武器を全部なくしても、 人間には心と体が残っています。武器がなくても格闘技などで戦いがはじまります。きりがないのです。

根本的な問題が残ります。その根本を清算するのが再臨主です。イエスは人々の病気を治し、「あなたの信仰があなたを救った」「あなたの罪は許された」と言いました。人の罪を許すことができる権限を持った方が再臨主です。その方の下で初めて世界平和が実現できる時代がきました。皆さんの家庭が結束して本当の幸福の世界を実現していきましょう。

世界の平和、幸福も自由も喜びも何もしないでできるものではありません。それは人間が作り出すものです。自分自身で作り出すのです。

山上の垂訓でイエスは「平和をつくり出す人たちは幸いである、彼らは神の子と呼ばれるであろう」と言いました。自ら世界平和に尽くせば神の子と呼ばれる、そういう時代が今、来ているのです。そう呼ばれれば最終的に天国に入るでしょう。それは究極の幸福ではないですか。道を切り開き、平和をつくり出し、幸福をつくり出し、天国をつくる我々となろうではありませんか。