機関誌画像

父の子育て 19

コラムニスト 大森浩一郎

子育てを楽しもう

「子育てを楽しもう」というタイトルを見て、多くのお父さん、お母さんたちは、次のような思いを抱かれるに違いない。

「子育ては、そんな気楽なものではない。毎日、必死に取り組んでいるのだ」

そのとおりだ。私も必死に取り組んでいるから、このような思いはよく理解できる。私がここで「楽しもう」と表現したのは、意識転換をお勧めしたかったからだ。「苦労が多い子育てを、あえて楽しんでみてはいかがだろうか」ということだ。

スポーツを例にとると、分かりやすい。

私は学生時代の10年間、バレーボールの選手だった。「試合に勝つ」という目標を達成するために、厳しい練習をした。しかし試合に勝ったときは、喜びに酔いしれた。一度、目標を達成したときの喜びを味わうと、その後の厳しい練習は、楽しみに変わってしまった

子育てにおいても、目標を定めてみることを提案する。「良い人間に育てたい」という漠然とした目標ではなく、期間を区切って具体的に定めてみるのだ。私は1年ごとに、3人の子供それぞれに対して、どのように接し、どのような人間性を養わせるか決めている。

例えば、幼少のころ病弱で入退院を繰り返していた長男に対しては、「体は弱くても心は人一倍強い」という自信を持たせることを目標とした年があった。通院した日には必ず、痛い治療に耐えたことをほめた。その結果、目標は達成された。彼は、「痛い」とか「苦しい」という弱音を吐かなくなり、1年の苦労は喜びに変わった。

子育てには必ず予想外のことが起きる。それがまた楽しい。長男の場合、姉弟を思いやる優しい心も身に付いた。目標にしていなかっただけに、喜びも大きい。こういう体験を繰り返していると、子育てが楽しくなる。どんどん子供が欲しくなる。

私などは、3人の子供では物足りない。5人でも10人でも生みたいが、こればかりは妻の理解がないと難しい。(まあ、自分の経済力も必要だが…)

とにかく、目標と期間を決め、めりはりのある子育てを楽しんでみよう。