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父の子育て 23

コラムニスト 大森浩一郎

心を豊かにする「勉強」

中学生の娘から「なぜ勉強をしなければならないのか?」と尋ねられた。私は「心を豊かにするためだ」と答えておいた。

娘には言わなかったが、私は「中学校以上で習う勉強は、実生活で役に立つものではない」と思っている。数学であれば、四則演算(たし算、ひき算、わり算、かけ算)を知っていれば、実生活で困ることはない。

私は学生時代、勉強が大好きであった。おもしろかったからだ。特に数学は大好きであり、問題集を解くのが趣味だった。貧乏だったので、ゲームセンターに行くよりも、古本屋で問題集を買って楽しんでいた。

ちょうど私が微分、積分を習っているころ、セブンイレブンの「セブン、イレブン、いい気分〜♪」というCMソングを、「微分、積分、やな気分〜♪」と替え歌にすることがクラスで流行った。しかし、私は「いい気分〜♪」だった。微分、積分ほどワクワクしたものはなかった

そんな勉強好きの私が言うのであるから、「中学校以上で習う勉強は、実生活で役に立つものではない」ということは事実だ。四則演算だけで十分。工学系の仕事に就かない限り、微分や積分などまったく必要ない。

しかし、微分や積分の考え方を知っていると、心が豊かになる。

微分とは「接線の傾き」だ。ある瞬間の状態といってもいい。

積分とは「ある区間の面積(体積)」だ。「瞬間の状態」の微分とは、対照的。「瞬間を集めた状態」といってもいい。

人生でいえば、地上生活が微分、霊界生活が積分だ。地上生活では、一瞬一瞬、愛を投入して精一杯生きる。そのような地上生活の状態を集めたものが霊界に行って財産となる……。これは積分だ。

このように、いろいろなことを微分、積分にたとえて考えられるので、楽しくなる。心が豊かになる。日々、いろいろなことを見聞きしながら、「あ、これは微分、これは積分」と考えて楽しんでいる。いい気分だ。

勉強とは、こんなものだ。生活に役に立つ勉強は少ないが、知っていればいろいろと楽しめる。心が豊かになり、心に幅が生まれる。子供には、そんなノリで勉強をさせたら良いと思う。