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誌上講演会

2010年9月19日、ファミリーフェスティバル石川での講演より
真の家庭運動推進協議会事務総長 丸岡正策

家庭は人生そのもの

最高の真理は家庭

今日の社会では個人主義が大手を振っていますが、これからの時代は家庭主義の時代と言えます。あえて家庭時代と言うのは、私たちが人生を歩むときに、その大切さを痛感させられるからです。

真の家庭運動の創始者である文鮮明先生は、「真理の中の最高の真理は父母、夫婦、子女つまり家庭であり、その中心は真の愛である」と言われています。そこで家庭の価値とは何なのか、いろいろな角度から考えてみたいと思います。

家庭とは人生の出発点であり終着点です。私たちは誰もが家庭で生まれ、そこで育ち、最期も家庭で迎えます。

母胎の中にいる胎児は水中生活をしていて、この世に誕生してからは地上生活をして、死後は永遠の世界で愛に包まれて暮らすようになっています。多くの人が人生は死で終わりだと思っていますが、そうではありません。真理の中心である愛によって永遠に生きる人生が、死後に始まるのです。このように人生の節目は家庭に始まり、家庭で帰結するのです。その真の愛を育てる場所であるから、家庭がとても重要なのです。私たちの人生そのものであると言っても過言ではありません。

次に家庭は永遠なる幸福と平和の土台でもあります。家を建てるときも大事なのは土台です。人生においてもその土台となる家庭がしっかりしていないと子供は健全に育つことができません。また、社会には多くの誘惑があります。でも、土台がしっかりしていれば、間違った道に行くことはありません。

家庭は愛を育てるところ

次に「家庭は愛の学校である」というのが真の家庭運動のスローガンです。愛を育てるすべての要素が家庭にはあり、訓練道場のような役割も果たしています。

小さい頃、子供は親の愛を十分に受けて、親になめるようにかわいがられて育ちます。私も一人娘を大切に育て、小学校を卒業してからすぐに韓国に留学させました。その後、中学、高校と7年間、韓国で学び、今は帰国して大学3年生です。小学校卒業直後のかわいい盛りに娘を外国に出すのは、かなり葛藤がありました。父親としての正直な気持ちは、留学生の試験に受からなくてもいいというものでした。そんな思いを話すと娘は安心したようで、結果的には試験に合格し、留学して行きました。

私の妻は私以上に、アメリカをはじめ南米や中南米、韓国など世界各国を回って海外宣教活動をしていました。ところが7年3カ月前、アメリカで交通事故に遭い、脳内出血を起こして全身不随になり、以来、寝たきりの生活になってしまいました。目は見えるし、耳は聞こえ、ささやき声でわずかながら話すことはできるのですが、自分では寝返りを打つことさえできず、1日24時間の介護が必要です。そこで、私一人が介護しているのを見て娘も母を介護してあげたいと言い出し、帰国したために、今は3人で一緒に暮らしています。

8年ぶりに生活を共にするようになった娘は、成長と共に生意気な面も目につき、ぶつかることもありますが、それを通して私も反省させられることがあります。ここでは皆さんに偉そうなことを話していても、娘には冷ややかに見られているかもしれません。(笑)

三世代、四世代同居が理想的

人生のステージを考えますと、子供と夫婦、父母の三世代に祖父母のいる四世代同居の家族が理想的だと言えます。子供のことを一番よく知っているのは祖父母であり、夫のことを一番よく知っているのは妻でしょう。家庭の中ではうそのつきようがなく、実態があからさまに出てきます。そうしたぶつかり合いの中で、人格が練られていくのです。

子供たちは親の愛を受けて育ち、大きくなるにつれて親孝行の心が芽生え、さらに兄弟同士の愛に目覚め、大人になり結婚してからは夫婦の愛を体験し、やがて父母の愛で子供を育てるようになります。孫を持つと祖父母の愛を体験します。このように真の愛には多くの要素があり、その大本の愛として太陽のように輝いているのが神の愛です。ちょうど、プリズムに太陽の光を当てると七色の虹のように美しく輝くのに似ています。

家庭の中で多くの愛を体験することにより、私たちは愛の中での暮らし方を学ぶのです。それが、死後の世界での生活になります。ですから、家庭は愛の学校だと言えるのです。

お年寄りに聞くと、誰もが孫は子供以上にかわいいと言います。子供もかわいいのですが、それに比べて孫は、一段上の立場から、ちょうど神様のような気持ちで接することができるのでしょう。ですから、祖父母の愛は神の愛に近いと言われます。そのように、私たちは家庭における人間関係を通して、真の愛を体得していくのです。

家族は世界、人類の代表

これからは世界のために働く人が必要ですが、そんな心も家庭の中で培われます。家族を愛する気持ちが、人類を愛すること、平和を求める思いにつながるのです。その意味では、家族は世界や人類の代表と言えるのでしょう。世界の子供を愛するように自分の子供を愛し、すべての女性の代表として妻を愛する気持ちが大切です。兄弟同士で、けんかをしながらも、兄弟愛を深め、自分とは違う人を愛することを覚えていき、それが人類愛へと通じていくのです。

家族の中で育ちながら、私たちは少しずつ、私自身の中にある良心に目覚めていきます。この良心は、親や先生よりも私のことをよく知っています。私をいつも見ているもう一人の私とも言え、私が悪いことをするととがめ、良いことをすると褒めます。ですから、良心は私の内にある神様なのです。その良心に従って生きることを覚えることで、子供は次第に大人に成長していきます。

さらに家庭は天国の模型、天国生活のモデルです。この家庭の中で芸術的な感性も養われます。本来は、すべての存在の中で一番美しいのが人間だからです。私の妻はペラペラと話すことはできませんが、私が介護をすると、最高の笑顔を見せてくれます。他の人には分からない美を、私はそこに見出しています。愛によって輝くのが美であり、美によって誘発されるのが愛なのです。文先生は、真の愛によって結ばれた夫婦は最高の芸術作品であり、文学作品であると語られています。

私の両親も高齢ですが健康で、自分たちのことより子供や孫たちのことを第一に考えて暮らしています。家族を養うために働く必要がなくなると、地域のボランティア活動にも熱心になります。子供が大人になっていくには、地域でも子供たちの成長を気にかけている人たちのいることが大切です。そんなお年寄りのいる地域があって、子供たちも健全に育つのです。

家庭を超えたそういう人たちとの交わりを通して、子供たちは社会になじみ、健全な社会人として一人立ちしていくのです。

真の愛で暮らす霊界

地上の私たちは時間と空間という概念の中でガッチリ規定されて生活しています。ということは、裏を返せば、その先には時間と空間の制約のない世界もあるというのが理論的です。それが、地上での人生を終えた私たちが旅立っていく超時空の霊界という世界です。

そこでの人生の土台が築かれるのが地上生活です。妊娠中に事故や病気やストレスなど欠陥があると、赤ちゃんは障害を持って生まれてくることがあります。わずか1年足らずの母胎生活が、100年に及ぶ地上生活を決定するのです。

同じように、わずか100年の人生が、霊界での永遠の人生を決定するのです。ですから、私たちはどのような人生を送るのか、真剣にならざるを得ません。

理想的な家庭は球に例えられます。真の愛を中心に上下、左右、前後、東西南北の関係が回転しながら永存していくからです。上下は父母との、左右は夫婦との、前後は兄弟との関係で、それらによって私たちの愛が育まれます。お互いに感謝し、尽くし合い、ために生きる人生、真の愛の人生を歩みながら丸い球形の家庭を目指し三代、四代が調和、和合する笑顔の花を永遠に咲かせましょう!。