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子育て道しるべ 1

須永孝子

胎教編

人は愛で生まれ愛で育つ

新しい命が誕生するということは、親はもちろん誰もが感動するものであります。赤ちゃんの泣き声に、寝顔に、一つ一つの動きに大人達は心和ませられます。

人の命は愛によって誕生してきます。動物や生物は種の存続のために本能として繁殖しています、だから繁殖期という周期をもっています。しかし人間は動物や他の生物とは全く違います。男女がお互いを尊く思い、愛し合って生涯の伴侶として結婚して、愛する対象の子供が授かる様に祈りながら、夫婦が一つになって受胎する様になっているのです。だから赤ちゃんは二人の愛の結晶と言われるのです。

新生児は一人では生きていけない状態で生まれてきます。動物は生まれてすぐ立ち上がり自分で乳を求めて動きます。しかし人間の子は親に抱かれながら肌に触れながら乳を飲み育てられていくのです、それは人間が親の愛によって生きるようになっているからです。

胎児と母親との関係

私はこれまで○年間保育園の仕事や教育に携わってきて感じることは、乳幼児に限らず子供達が起こすいろいろな問題行動の要因は母親との関係にあるということです。しかしそれは母親だけでなく夫婦の問題でもあり、突き詰めていくと受胎する前の夫婦の在り方が重要で、命の大切さを知り夫婦が協力し合って妊娠期間を過ごすことが重要だと思わされました。

胎教の重要性は、古くから語られています。またいろいろな先生方の胎教に関する話や本があります。それらに共通するのは、胎児には母親の心情、精神状態が大きく影響するので、ストレスが溜まらないように過ごし、規則正しい生活やバランスの取れた良い食生活をすることが大切だということです。

だからと言って何もしないでゴロゴロばかりしていると、生まれてきた赤ちゃんの反応も弱く、のんびりした子供になります。

お母さんから体を作る栄養素を吸収するように、お母さんの心情や考え方等を一心一体となって相続します。胎内記憶のある子供の話がありますが、実際に胎児は胎内にいて多くのことを感じ吸収しています。

胎児に害となり奇形になる原因にタバコ、薬物があります。またアレルギーになる原因に食生活や人間関係からくる母親のストレスがあり、それが胎児にも影響を与え精神的、肉体的に異常を起こすこともわかってきています。

胎内で心の器がつくられる

胎内にいる時に胎児の体の基礎ができるのと同じように、心の器ができるといわれています。赤ちゃんの心の器は母親の生活姿勢から大きく影響を受けるのです。自分のことばかり考える利己的な母親の胎児は小さな心の器でとどまり、いつも人の為に愛して尽くす生活をしている母親の胎児は大きな心の器を築きます。それが将来その子の人格の基礎となるのです。

胎教とはよく知的教育、天才教育として考えられますが、そのような外的知的環境を整えるだけでなく、心の器をつくる内的人格形成の大切な期間だと知って、心豊かな子供に育てるためにも夫婦で協力しあって家庭の中や周辺にやさしさと思いやりと為に生きる生活を心がけていきたいものです。

 -Profile-

■ すなが・たかこ

岐阜県岐阜市生まれ。岐阜大学教育学部音楽科卒業。1980年光の子園で音楽教育に携わる。1982年より10年間保育園の園長を務め、子女教育、父母教育にかかわる。現在、心情文化研究所研究会会員として教育指導者教育、特に幼児教育担当者、合唱指導者の研修会などの現場教育に力を注いでいる。