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子育て道しるべ(12) <青年期>

須永孝子

大人として社会へスタート

大学生になった19歳頃から大学を卒業して就職1年目頃の23歳までの期間を後思春期と言いますが、社会人として大人として第一歩を踏み出す時期で、新しい世界へスタートする大切な時期であります。

大人になるということは、自らの力で様々な問題に対して自己決定、自己責任、そして自己選択できる力が身について「社会で生きる大人」となることです。そこには就職、結婚ということも現実的なものとなってきます。

しかし最近ではモラトリアムといって、大人の社会に旅立てない青年が多くなっています。

私も大学生の時、卒業を間近にして社会に旅立てない精神状況になったことがありました。きっかけは2カ月間にわたる教育実習をしたときでした。小学生の子供たちを担当した時に子供を叱ったり、褒めたりすることの難しさを感じ、善悪を判断する基準が分からないことで悩みました。また、担任のベテラン先生がクラスの子供たちを愛する愛の大きさを感じ、自分には愛がないことが分かり悩みました。「善悪の判断基準や人の愛し方は高校、大学では教えてくれなかった」「音楽だけを勉強しても社会では生きていけない」と思いました。そして「人生の指針」を知りたい。それを教えてくれる人はいないかと思っていた時に、ある本に出会って回答が与えられました。

良書の読書のすすめ

船は航海するとき現在位置がわからないと出発ができません。経度や緯度を調べて自分がどちらの方向へ行くか目的地を定めてから準備をして出発していきます。

そのように人も「自分は何をすべきか」「私はこういうことをしよう」と考え、20歳前後には「私はこのような人になる」ということを決め、そして24歳までに「自分の人生をかける目標」を定めて大人へと歩み出すと良いといわれます。

人生の荒波を航海していく途中で多くの試練、迷いが訪れます。そんな時の羅針盤や地図の役をするのが本です。「読書は人間の心の養分」と言われますように、良書から人間の生き方を学び、また、広く豊かな教養を身に付けたり、専門的な知識を得たりすることができます。そして社会で生きていくには「人間関係」が大切です。人間関係を良くするには「和」の心と「無私」の心、つまり「無私公平」の精神が重要であると言われます。その基本を学ぶのは家庭です。不安を抱えて社会に飛び立つ子供に親は見本となり、アドバイスできるように親自身が自己決定、自己責任、自己選択ができなければなりません。