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子育て道しるべ(14)

須永孝子

子供は大人の言うようには育たない、大人のするように育つ

子供のしつけや教育について質問や相談を受ける中には「言うことを聞かないので困っている」「食事の時遊んで散らかして注意しても聞かない」「おもちゃや本を投げて、なかなか片付けない」「トイレをぎりぎりまで言わないで、いつも漏らしてしまう」「お店で欲しい物があると、買うまで騒いで動かない」など色々あります。

「子供は大人の言うようには育たない、大人のするように育つ」と言われるように、親が「こうしなさい」「ああしなさい」と言っても子供はそのようには育たない。親の姿を見てそのように育っていくという。子供が大きくなって実感する話です。

子供と接する時は子供の目線で見たり、話したりすることが大切です。意外と親の事情で子供を急がせたり、子供の思っていることを無視したりして強要することがあるのではないでしょうか?

自分の気持ちが受け入れられない時に、子供は問題行動を起こします。子供自身も願わない行動になり、子供自身では解決できない状況になるので、親がしっかりと子供の心を受け止めて解決できるようにしなければなりません。

どんなに子供が小さくてもその子供の気持ちを受け止めて、親の気持ちを伝えるためのコミュニケーションが大切です。赤ちゃんだからわからないと思わないで、スキンシップをしながらいつもお話をすると赤ちゃんでも幼児でも心は和らいでいきます。

乳幼児期の子供は自分の周囲の環境を五感で受け止め、色々なことを学び吸収して喜びや不安や悲しみを泣いたり笑ったりして表現します。例えばお母さんの気持ちが沈んでいたり、イライラしている時、赤ちゃんはその雰囲気を感じ取りぐずります。お母さんが喜んで楽しそうだと赤ちゃんも気持ち良く笑います。同じように夫婦がけんかをすれば、赤ちゃんは不安を感じて泣きます。

赤ちゃんがそうであれば、幼児はもっと親の状況を五感、六感で敏感に感じ取り心に刻みます。

だから子供の前で夫婦げんかや暴力を振るうと、言葉以上に乳幼児には恐怖と不安を抱かせ、心に傷をつけますので決してしてはいけません。

先日、幼児の教育に携わっている方たちと話をした時、ホッとする話を聞きました。幼児たちの男の子の中には全体に迷惑をかける問題児が多かったのですが、「男の子の場合は成長するのが少し遅いけれど、いつか変わる」と信じて、その子たちが小学生になるまで様子を見ていたら、その子供たちが変わってきたという報告を聞きました。幼児の頃、まわりに迷惑をかける子供たちであっても、あまり問題児扱いをしないで、大きな心で見るようにしたら、問題児がいなくなったということでした。やはり大人次第だと思いました。