機関誌画像

子育て道しるべ(17) 中学生期の子供

須永孝子

自立の前に自我を育てることが大切

入学したばかりの中学生を見ると、まだまだ小学生の時のあどけなさがあって可愛く感じます。そんな生徒たちも1か月毎に体や心が変化して、次第に中学生らしくなってきます。男子は身長が伸び、体格も大きく逞しくなり声も変わってきますし、女子も身長が伸び、女の子らしい体型になってきます。

大人になろうとして自立しようとする心の成長と、大人になっていない自分の未熟さとのギャップで悩み、また体の変化に対して、無知や未熟さから自己嫌悪や、葛藤、不安、そして苛立ちなどが出てくる年頃であります。彼らは時々周りの人からは理解できない、突拍子のない行動を取ったりします。

そんな子供に対する親はどのように対応したらよいのでしょう。幼児に対しては「肌身離さず」、小学生には「肌離して手を離さず」、中高生に対しては「手離して目離さず」、青年になったら「手を離して心離さず」と言われています。

そのように反抗期や思春期を迎えた子供とは、なかなか親子で話し合うことが難しくなりますが、親は手や口を出さないで、しっかり子供の様子を見ていてあげることが大切です。子供を信じて、自分の力で乗り越えようとしている姿を見ていてほしいものです。

先日ある中学生が問題行動を取ることが多くなり、親御さんから相談がありました。その子供に会ってゆっくりと話を聞いてみました。そして私は、その子が自分という自我が年相応に形成されておらず、そのために自分を表現できなくて問題行動を取ってしまうのだと思いました。

自立する前に子供自身の自我が成長していることが重要なのです。自我は自分を形成していくためには大切なものです。自我が育ってこそ自立ができるようになります。自分の意思を相手に伝えること、また自分と違う考えや意見を受け入れて、自分の中で昇華していく力を養うことが大切です。

子供は親の期待に応えようと、親の言うとおりに色々頑張ります。しかし親や家庭の事情を思って、自分の思いをきちんと親に言えない子供もいます。親が厳しく、大声で叱ったり、一つ一つ指示したり注意をすると、子供は萎縮して自分の気持ちや、意思を伝えることができなくなります。自我の成長がないまま反抗期、思春期を迎えた時、子供は問題行動を取って自分の居場所を見つけようとするのです。

こんな時、まず親が子供を大きな心で受け止め、子供と向かいあって話を聞いてあげて、子供の自我を育てることが大切なのです。