機関誌画像

特別メッセージ

真の家庭運動推進協議会会長 徳野 英治

*5月19日、高知における講演会で語った、德野会長のメインスピーチを抜粋したものです。

理想家庭による理想世界実現

今日、人類が抱えている多くの課題がありますが、とりわけ日本が直面している深刻な問題について考えてみたいと思います。

一番の早道は国際結婚

写真1

まずは、国境の壁、民族の壁をどう乗り越え、日本を取り巻く東アジアにおける平和、そして世界平和をどう実現してゆくかという問題です。その一番の早道が国際結婚だと言えるでしょう。共通の孫を持つことによって二つの民族が争わなくなるのです。

日韓関係に特化して例を挙げれば、韓国にお嫁に行った日本人女性の話をしたいと思います。かつて日本の憲兵に親戚を殺された舅から、毎日、朝から晩まで日本人に対する恨みつらみを聞かされたそうです。それでも、耐えに耐えて、涙を流して謝り続け、一年が過ぎた時、「おまえは偉い! いつ腹を立て、耐えられなくて日本に帰るか試験をしていた。でも、最後までそれに耐えた。誠意を持って自分の恨みを聞いてくれた。おまえの故に日本民族の全ての罪を許す。心から我が家の嫁として受け入れよう」と舅が宣言してくれたというのです。

これが、歴史の恨みを解決する唯一の道です。真の愛と忍耐しかありません。特に、共通の孫を持った場合には、どうして祖父母同士が争うことができますか。争いの道を超えるには、真の愛の思想で国の壁を超え民族の恨みを解決すると同時に、愛と生命と血統の結びつきで溝を埋めていく以外にはありません。

教育再建が急務

二つ目が、精神的なもろさです。特に、若者が精神的にもろく、その最たるものは諸外国と比べても極めて高い自殺率です。(2012年のデータによれば世界第8位)

事務官にお金を渡さなければ入国できないほどの貧しいアフリカの国では、自殺の話題を聞いたことがありません。先進国である日本で自殺が多いことをアフリカの青年に話したとき、「それは、贅沢(ぜいたく)な悩みだ。自分達は生きることで精一杯で、自殺を考える余裕もない」との答えが返ってきました。

自殺という話を聞いて唐突に思われるかもしれませんが、これが深刻な現実なのです。では、豊かな国ほど自殺率が高いのかというと、そうでもありません。日本はアメリカの3倍の自殺率です。今の日本人は、生きる目的と価値がわからず、自殺を簡単に考えてしまうのです。ですから、宗教的な価値観に基づいた道徳教育、精神的情操教育をしていかなければ、自殺が減ることはありません。

そのような観点から、日本にとって教育再建が急務であると言えるでしょう! 学校教育には道徳の時間がなく、生きる意味を見出せないまま、家でも親が人生について教えてくれない中で、尊い命をいとも簡単に失ってしまうような青年が多い現状です。不景気や家庭や職場での経済問題が自殺率にも影響を及ぼしますが、心の問題である教育再建を進めなければ日本の未来がないのです。青年が未来に向かって生きる望みを明確に持ち得ないのが、今日の日本の教育の大きな問題点なのです。

家庭再建の国民運動を

写真2

三つ目は、日本のみならず世界的にも深刻な家庭崩壊の問題です。これは、日本よりアメリカがより深刻で、再婚家庭が多く、家系がものすごく複雑です。実は中国も五千年の儒教や仏教の歴史がありますが、現在の中国は富裕層ほど愛人を持ち、離婚率が高いのです。また、日本よりも家族の結びつきが強いといわれる韓国でも、離婚率が年々高くなっています。韓国の若者は変化を好み、韓国の良き伝統ですら、若者の文化の中で急激に崩れていっています。ちなみに、離婚率の高さは、アメリカが世界第4位、韓国が第9位、日本が第26位となっています。

つまり、青少年犯罪や家庭崩壊という現象は日本だけではなく、世界共通の普遍的な課題であると言わざるを得ません。

したがって、家庭再建こそが、もう一つの大きな国民運動の柱にならざるを得ないのです。家庭再建という問題に関しては、あらゆる宗教の指導者も悩んでいるのです。聖職者でも、陰で愛人を持っていたり、同性愛であったりというケースを見れば、愛の問題は宗教の力を以てしても解決することは簡単ではないということです。

純潔と貞節を守る

結論を述べたいと思います。家庭は、日々の家族間の人間関係を通して愛を学ぶ、愛の学校であり、愛と平和と幸福の源なのです。と同時に、人と社会の中で、調和、平和、幸福というものを体験する原点であり出発点なのです。どんなに立身出世をしたとしても、妻と毎日ケンカをし、ついには妻が去って行ったとしたら、果たしてその夫は幸福でしょうか。家庭が平和で愛に満ちあふれていなければ、幸せな人生とは言いがたいのです。

日本で離婚の原因は様々ありますが、一番の理由は浮気です。ですから、幸せな家庭を築く上で、浮気をしないことが原則中の原則です。私たちが結婚生活をスタートする上で一番大事なことは、純潔なる心と体で男女が出会うことです。これが本来の姿です。ですから、配偶者のために身も心も清く保ってきた純潔こそが、結婚式を迎える新郎新婦からお互いに捧げ合う最高のプレゼントなのです。結婚前は純潔を守り、結婚後は貞節を守る。

そのような、夫婦の清い愛の結晶として子供が生まれてくるのが、理想的な家庭なのです。このような純潔なる男女の愛に基づいて、夫婦が愛し合い、親子が愛し合い、兄弟が愛し合い、家族同士が愛し合う、そして、親は子供のために、子供は親のために、妻は夫のために、夫は妻のために生きる。この、「為に生きる」精神で愛し合い、信頼し合い、助け合い、一つになる為に努力し実践することを通して、理想的な夫婦関係、理想的な親子関係、理想的な家庭、地域社会、国家、世界を実現する道が開かれてくるのです。そのような世界を築いて参りましょう!