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福祉のこころ(15)

デイサービス生活相談員 尾久 太祐

デイサービスで得たもの

私は、中学生の頃にマザーテレサに憧れ、それ以来、人の為になる仕事がしたいと思ってきました。人に話を聞いたり、本や新聞・テレビ等で見たりして、介護の仕事を知り、高校卒業後、福祉の専門学校に進んで、卒業し、20歳からデイサービスという通所介護施設に勤めています。

デイサービスは、利用者様に、体操や機能訓練、創作活動をして頂いたり、入浴・昼食、ゲーム・カラオケ等のレクリエーションやおやつの時間に楽しく交流して頂いたりします。利用者様の自宅と施設の間を車で送迎し、介護の度合いやその方の状況に合わせて、入浴や食事やトイレ等の介助をしたり、時にはいっしょに外出もしたりします。

限られた時間の中で、いかに利用者様に楽しく過ごして頂けるかを、日々、考えています。

レクリエーションでは、ドジョウすくいや、リハビリ舞踊等を披露することもあります。リハビリ舞踊は、「瀬戸の花嫁」や「黒田節」等、演歌や民謡に合わせて楽しく体を動かし、四肢各部位の機能回復を目的としたものです。私は、踊ってみせながら、利用者様にも一緒に踊ってもらいます。とても喜んで頂き、帰り際には、「楽しかった」、「ありがとう」と言われます。

敬老会で、利用者様数名でリハビリ舞踊を皆の前で披露するという企画をした時は、練習を重ねていく中で、脳血管障害による片手の麻痺がある利用者様が、「片手でも踊れるし、楽しいわ」と積極的に参加され、「また、やりたい」と大変喜ばれました。

この方は、麻痺を気にして少し引っ込み思案になられていたのですが、これを機会に、明るさを取り戻され、他の利用者様と楽しそうに交流される姿が多く見られるようになりました。

また、ある要介護4であった利用者様は、初めて来られた時には、車椅子を押しての歩行で、トイレも介助が必要、入浴も一部介助が必要でした。しかし、週五日間のデイサービスを利用され、マシンを使ったトレーニングや歩行訓練をコツコツと行われた結果、3か月後には、トイレも入浴も歩行も自分でできるまでに回復しました。送迎の時も、車椅子なしで杖で歩いて帰れるようになり、介護度も要介護1まで回復し、ある目標を達成されたのです。

ある目標というのは、「5歳になるお孫さんと一緒に遊ぶ」というものでした。私は、ご本人が明確に目標を持ってそれに向かって努力する背後には、ご家族と職員の協力があり、何よりも、誰かの為に何かしたいという思いが、人の心を動かすのだなと思いました。利用者様が、その日を楽しく過ごされるだけでなく、回復され元気を取り戻される姿を見ると、とても嬉しく、自分自身が励まされる思いがします。これまで、デイサービスで生活相談員として勤めてきましたが、利用される方のご家族とケアマネージャーとの橋渡し、契約書や計画書の作成、見学者の対応、書類の管理など、仕事内容は、とても煩雑です。

体力の必要な仕事なので、体は疲れますが、朝早くから夜遅くまで、利用者様の笑顔と「ありがとう」の言葉に支えられ、また、明日もがんばろうという力を頂いています。これからも、利用者様の心にたくさんの笑顔の花が咲くように、少しでも力になれるよう、介護の現場で為に生きていきたいと思っています。