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特別メッセージ

真の家庭運動推進協議会会長 徳野 英治

3月23日、神奈川での講演の抜粋を今月と来月の2回に分けて掲載します。

真の救国運動、国民運動として真の家庭運動を推進しましょう!(前編)

真の家庭運動の国民運動化

本年度から、真の家庭国民運動の本格的な出発がなされましたが、その他の運動の方向性も含めて、真の家庭運動推進協議会として、以下の五つの活動の方向性を打ち出しております。

第1は真の家庭運動の国民運動化・社会運動化です。法制化までも含めて展開しようとしております。皆さまがご存じのように、婚外子の遺産相続の問題が最高裁で違憲とされました。従来までの正式な結婚により生まれた子供(法律婚)と結婚していない立場で生まれた婚外子との遺産相続の権限が等しいという新しい民法上の判決を最高裁判所が下しました。それを覆すことは難しい状況です。保守的で良識ある社会の指導層の人々は大変な間違いであると訴えておりますけれども、最高裁判所の決定に影響されるような形で、新たな世論形成がなされつつある現状です。それ程に世の中の価値観が狂い始めているのです。保守的で健全な家庭観が崩れてしまっていることを私達はハッキリと認識しなければならないと思うのです。

また、米国においては日本の最高裁にあたる連邦最高裁判所が同性愛結婚を法律で合法として認めてしまいました。オバマ大統領が「これは、歴史的な第一歩である」と肯定的に評価しています。もう反対できない社会的な段階にまできてしまいました。その影響を少なからず日本もいずれ受けるようになってくるでしょう!

皆さま、ご存知と思いますが国連においても「家庭」の定義が、今までの価値観とは全く違ってしまっています。男性同士で一緒に家庭生活をすること、つまり同性同士の結婚を一種のコミュニティとして、「家庭」の一種の概念として認めるべきだという意見が国連の主流になってしまったのです。それほどまでに国際レベルにおいて「家庭」という概念の崩壊現象が起きているのです。即ち、いわゆる文化共産主義が知らない間に浸透してしまっているのです。

従って、真の家庭運動として第1に成さねばならないことは、全国民が参加していくことの出来る国民運動・社会運動としての家庭再建運動を国民レベルで展開していくことです。このまま放置しておけない深刻な状況が世界においても、さらには、私達の足下、国内においても蔓延(まんえん)しつつあるのです。家庭倫理の視点からの正常な感覚の持ち主であれば、待ったなしの状況であることは自明の理と言わざるを得ません。

青少年問題と真の倫理道徳教育

2番目は青少年教育の問題ですが、その関連性において背景となる青少年達の父母の離婚の問題に触れてみたいと思います。

日本では、平成25年度の厚生労働省の統計を見ると、1年間で約23万組が離婚しています。数字でいうと1000人中に1.9人が離婚しているのです。これは2分14秒に1組の割合で離婚していることになります。これほど離婚が多い日本でも世界から見るとまだ37位なのです。36位以上の国はもっと深刻であるということです。世界に目を転じてみると、2013年の統計ですが、ロシアが世界で一番離婚率が高いのです。次にベラルーシが2位、ラトビアが3位、米国が4位、ドイツは17位、お隣の韓国は20位、フランス32位、中国は33位、イギリス34位という順です。先進国をはじめ、旧ソ連邦を含めてこのように離婚が世界的に広がっているのが現状です。世界的家庭崩壊が起きていることは間違いないのです。日本は深刻な状況ですが、世界はそれ以上に深刻であると言えます。

次に自殺の問題も大きな社会現象として深刻に考えねばなりません。特に、青少年の自殺率が年々増加傾向にあります。ちなみに、昨年の世界の自殺率ランキングを見ると、グリーンランドが1位、リトアニアが2位、韓国が3位、ベラルーシ6位、ロシア7位 中国9位、日本19位 フランス21位、アメリカ34位、それとは逆にアフリカの多くの国々は100番以降です。

実は、日本の自殺率も非常に高いのです。自殺者の統計を見ても警察庁発表では2013年度約2万7千人、これは、何を意味するかと言えば、19分21秒に1人が自殺していることになります。日本の場合は、過去16年間で年間の自殺者の数はほぼ3万人以上でしたが、昨年、一昨年には、ようやく3万人を切りました。交通事故による死者は昨年1年間では4300人でしたから、約6・3倍の自殺者が毎年出ていることになります。しかも、さらに深刻な傾向は、2003年(平成15年)から10代から30代が増え続けているということです。90年代バブル崩壊した当時は40代から50代の自殺率が高かったのですが、今40代以上の方たちの自殺は減少傾向にあります。しかし、最近は10代、20代、30代の自殺が増えているのです。

日本の青少年たちは更に精神的に不安定になって、いとも簡単に自殺という選択肢を選んでしまっているのです。この自殺の問題一つを取って見ても、まさに日本社会は精神的に病んでいると言わざるを得ません。別の言い方をすれば、人生哲学がないのです。人生の価値がわからない。人生の目的がわからなくなってしまっているのです。これが日本社会の現状であると言わざるを得ないのです。

従いまして2番目の大きな柱は青少年教育です。単なる倫理、道徳の教育だけではどうにもならないのです。それどころか義務教育のカリキュラムの中に、ほとんど倫理道徳を教える時間そのものまでがなくなってしまっています。自殺という問題まで解決しようとすれば、人間の命はどこから来たのか?という根本にまで遡らなければ解決ができません。宗教的バックボーンを持った倫理、道徳教育がなされなければ到底解決できない状況にまできているのです。

日本の安全保障を啓蒙

3番目は真の家庭運動と共に、東アジアに位置している日本を取り巻く安全保障環境というものを考える度ごとに、安保問題に関する大会やセミナー等の安全保障のための運動も継続的に推進していくことが、また、きわめて重要であると思います。そういう意味で、政治的な問題の範疇になりますが、日本の安全保障の問題にも、今まで以上に関心を向ける必要があります。日本が生き残って行くためには、世界の中の日本という意識を持つことが必要です。日本の平和が保たれ、日本国民が安心して暮らすには安全保障という担保がなければなりません。いつ北朝鮮からミサイルが飛んでくるのかわからないし、中国は絶えずアジアの覇権を狙っていますし、最近、特に海洋進出に対してきわめて野心的です。従って、自分の国は自分で守るという意識が大切です。関係機関・関係各国とも連携を取りながら、米国と共にお隣の韓国とも友好を深め、今まで以上に一つになる必要があります。そのように、安全保障の啓蒙にもさらに関心を持って参りましょう。 (つづく)