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春夏秋冬つれづれノート

ジャーナリスト 堀本和博

古希に近づく身になって、ラジオ体操の体力、リズム感、バランス維持の効果抜群を実感するように

夏休み中は早朝に、町内会や自治会が音頭をとって公園や広場でラジオ体操の会をやっている光景を見かける人も少なくなかろう。参加者の大半は小中学生で、体操が終わると事前に配布された出席カードに当日の出席印を押してもらう。最終日には出席状況によって皆勤賞や参加賞として図書カードや文具、菓子などがもらえる小さな楽しみがあった。

私も子供のころに夏休みのラジオ体操の会に出ていたが、体操そのもので運動能力が向上するとは思えなかった。体操に出ていても、2学期になって出ていない友達との間にあった運動能力の差が少しも縮まっていなかったからである。それでも出ていたのは、友達と会えることと小さな楽しみが目当てだったのかもしれない。

東京・三鷹市に住んでいた10数年前に、夏休みになると近くの公園でやっていた朝のラジオ体操に皆勤した。主催の町内会は隣の久我山(杉並区)だったのでオジャマ虫のように隅っこでの参加だったが、子供たちの元気な掛け声の中でする体操は気持ちよかった。NHKラジオ番組に合わせて朝6時半からというのは結構しんどかったが、50歳前後だった身体は子供のときと大違いで、ラジオ体操による体力維持の効果を実感していた。

そして、いま住んでいる調布市の大団地でもラジオ体操をやっていた。団地は号棟ごとに自治会があるが、自治会がやっているのでなく、また夏休み中という期間限定のものでもないし、何よりも子供たちの姿はまったく見えない。なかには青年、壮年の姿もあるが、出席者の大半は還暦、古希を過ぎた元気な老人男女が50人ほど、日曜日と雨天の日を除いて毎日頑張っているのである。

朝の7時になると、日本舞踊の名取だという女性が番組を録音したCDをかけて音頭を取るのだが、名取の名に恥じない軽妙な身のこなし。メニューも夏休みの子供たち中心に音楽に乗ってやるラジオ体操第1、第2だけではない。第1、第2の前にもう1つ、テレビ体操でやっている手を前に出して指をゆっくり結んだり開いたりするヨガのような運動から始まる『みんなの体操』、『ラジオ体操の歌』にあわせた足踏み運動などが加わる。そのうえに、『みんなの体操』の前に、さらに号令をかけて足首や首や肩を回す準備体操をしっかりしてから入るという念の入れようだ。

ラジオ体操

緑陰の中で、ラジオ体操第2が終わると、整理運動も。足首や首、肩を回し、最後にしこを踏むように踏ん張って『イチ』『ニッ』『サン』『シッ』と掛け声を合わせて、地球を持ち上げるように手を天に上げるのを10回もして、ようやく終わりである。

夏でなくても汗がにじんでくる朝の20分ほど。これに参加し始めて4か月ほどになるが、ようやくメニューに馴染んできた。古希に近づく身には体力とともに深呼吸、リズム感、バランス感覚の維持に効果抜群に感じるのである。

万緑の中や吾子(あこ)の歯生えそむる 中村草田男