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健康一番 (6)

ジャーナリスト 高嶋 久

胃がんの手術から5年をクリア

6年前、61歳の時に胃がんの手術を受け、胃を3分の2切除しました。その前年の健康診断で精密検査が必要とされ、内視鏡で発見されたのです。サンプルを大学病院で調べた結果、進行性胃がんなので早めに切除した方がいいとなり、患部が中央部にあるので大幅な切除になりました。担当の外科医に、あっさり「がんですね、切りましょう」と言われ、最近はすぐに告知するのだなと感心したものです。自覚症状はまるでなかったので、健康診断をして助かりました。

全身麻酔をされたので、手術のことは何も覚えていません。術後、外科医に切除した胃を見せられた妻は、「切った胃をどうやって腸につなぐのですか」と質問し、外科医は「巾着のように切り口をすぼめて縫 う」と説明したそうです。後で聞いて、もう少し夫のことを心配する会話がありそうなのにと思いました。

がんはステージ1で、筋肉は侵されておらず、リンパ節への転移もなかったので、執刀医に「よかったですね」と言われました。術前に、臨死体験で光を見る本を読んでいたので、同じようなことが起こらないか期待していたのですが、それはありませんでした。

お腹を見ると、糸ではなくジッパーみたいなのが縦に走っています。1週間後くらいから抜糸で、ホチキスの針のようなものがぽろぽろ取れました。風呂に入れるようになると、1カ月後の合唱祭に出られるかどうか、大声で歌ってみると歌えたのでひと安心。2週間弱で退院、ノートパソコンで仕事もでき、大きな穴を開けずに済んで幸いでした。

一病息災と言いますが、胃がんになってよかったのは、病気の話に参加できるようになったこと。法事などで伯父伯母たちが集まると、必ず病気自慢が始まるのです。それまでつまらなさそうに聞いていたのですが、以後は私も堂々と自慢できるようになりました。

次に、胃が小さくなって体重が13キロ減ったこと。それで標準体重なので、太り過ぎだっただけですが。おかげで40代に作った服が着られるようになり、助かっています。体が軽くなったので、ウオーキングも楽になりました。

半年間は抗がん剤を飲んだのですが、それほど副作用はありませんでした。半年ごとにCT検査を受けて、5年間異常なし。6年目からは年に1度の検査になりました。

以後、その外科医が主治医のようになり、2年目にいぼ痔を手術してお尻も快適に、5年目から高血圧が指摘され、血管を広げる効果のある降下剤を服用しています。メタボ健診を受けた内科医には、「200を超えないと薬は出さない」と、薬剤師にも「服用の基準がよく分からない」と言われたのですが、主治医に「下が90を超えたら飲んだ方がいい」と言われ、両親とも高血圧だったので、高齢になると注意した方がいいと思い従っています。幸い、以後順調に経過しています。