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特別メッセージ

真の家庭運動推進協議会会長 徳野 英治

4月5日、全国総会での講演の抜粋を数回に分けて掲載します。

家庭再建による救国・救世の真の家庭国民運動を推進しよう〈1〉

性的少数者の権利を認める風潮

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私は全国を回って、ファミリーフェスティバルなどで講演をするたびに、改めて昨今の家庭崩壊の深刻さを見聞きし、家庭再建運動が最も緊急であり、救国・救世運動にならざるを得ないと痛感しています。

3月末に東京・渋谷区で、同性愛のカップルに対して、パートナーシップの関係として結婚相当の証明書を発行するという条例案が通過してしまいました。当時の区長が推進派でした。また保守派が少数で、保守派自体が団結していなかったこともあり、通過してしまったのです。

簡単に言うと、同性愛者同士がアパートを借りたりする際、いろんな不利があったけれども、これからは不利がないようにする、つまり性的少数派の権利を尊重しようという話です。ご存じのように、性的な少数者たちをLGBTと呼び、もはやひとつのトレンドになっています。Lはレズビアン、Gはゲイ、Bはバイセクシュアル、最後のTはトランスジェンダー、トランスセクシュアルです。つまり性同一性障害のような人たちをいうわけです。

すでに2020年の東京オリンピックに向けて、この性的少数者の権利を認めようという、国会議員の組織まで立ち上がっています。自民党の議員の中にも、それを推進している人が少なくありません。もう自民党も民主党も関係ありません。共産党は言うまでもない。だから権利を大前提に全面的に押し出された場合に、これに反対すれば、「では彼らの人権を認めないのか。それは権利の尊重という観点から見たときに、日本は先進国じゃない」ということになるわけです。だから、国連をはじめとして西洋世界では、もはや「彼らをも認めるべきだ」という考え方が主流になりつつあるのです。

今後、渋谷は同性愛者に優しい街として全国から同性愛者が集まって来るのは間違いないでしょう。かつてサンフランシスコが、同性愛者に非常に有利な権限を認めた時、全世界から2万人の同性愛者が移住のために集まりました。今でもサンフランシスコでは、同性愛の問題は深刻です。同じようなことが渋谷で起きるでしょう。そして渋谷の動きは多くの自治体が注目しており、いずれ「渋谷区のように同性愛者を認めよう、同性愛者を温かく迎えよう。性的な少数者に対しても、権利を認めるべきだ」という世論、価値観、風潮がこれから日本列島を覆い尽くす可能性があります。

私たちは、権利そのものは大事にしなければならないけれども、やはり性道徳という観点から、同性愛のカップルに結婚相当の証明書を出すのは良くないという立場です。真っ向から主張がぶつかります。この同性愛者問題に対して私たちがどう取り組み、どう説明したら良いのか。緊急にその理論武装も必要になってきます。

夫婦別姓を求める流れも

また、最高裁はいわゆる婚外子の遺産相続の問題で、従来の民法の規定は違憲との判決を出しました。次は、いよいよ「夫婦別姓を認めるべきだ」という流れになってきます。今まで夫婦別姓を認めなかった民法はそもそも、憲法に反しており見直すべきだという考えです。もし最高裁が夫婦別姓を認めた場合、今までの伝統的な良い意味での家族主義、家族に対する価値観が音を立てて崩れていくでしょう。特に左翼的な、人権主義者が「あなたたちは、この人たちの人権をどう考えているのですか。差別する気ですか」と反論してきた場合に、どのように説得力を持って、私たちの真の家庭という概念、真の家庭運動の理想を打ち出していくかが問われます。保守派の人たちには、残念ながら良識はあっても明確な理論はありません。良心、あるいは既成の価値観から抵抗を覚えるだけであって反論できるだけの明確な理論はないのです。

結婚しない若者たち

また最近は、「結婚」という問題そのものが深刻です。つまり昨今、結婚しない若者が急増しているのです。以前は「肉食系」、その対極にある「草食系」といった男女の恋愛観をいう言葉がありましたが、最近は「絶食系」という言葉が出てきました。これには驚きます。もう男女の付き合いそのものが分からないし、しようとしない。生涯独身でいい。異性の付き合いは煩わしい——。こういう絶食系という概念まで出てきて、結婚しない若者がどんどん増えているのです。

50歳までに一度も結婚をしたことのない男性が、5人に1人です。女性でも10人に1人。そうなれば当然少子高齢化、そして人口減少は必然です。私は石川県能登の出身です。朝ドラ「まれ」の舞台になっていますが、実は10年前に同窓会に参加し、そこで懐かしい同窓生たちと食事をしながら聞きました。1年間で私の故郷で生まれた赤ちゃんはたった1人だったそうです。だから小学校は閉鎖、中学校はさらに合併。どんどん人口が減っているというのです。

人口予測グラフ
(国立社会保障・人口問題研究所の推計)

2050年には全国1761ある地方自治体の内、896の自治体が消滅するという予測が話題になりました。その中にはなんと豊島区や大阪の西成区と大正区も入っています。2045年には人口が1億を切り、2055年には9千万になると言われています。2100年には、なんと4千万になるそうです。人口即国力です。我々が中国を無視できないのは、13億5千万という人口をもっているからです。中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)には世界から57もの参加国が集まりました。中国の影響力がどのくらい大きいことでしょう。アメリカはどうすることもできないのです。

もはやアメリカにも十分対抗できる、経済的にも大変な影響力をもっています。中国はバブルの崩壊があると言われていますが、やはり多くの経済学者の意見としては、膨大な人口を抱えているだけに、膨大な市場をもっているので、バブルは崩壊しにくいというわけです。その意味で中国という国の力は即人口です。裏返せば、日本の人口がこれ以上減ったら、国力はどんどん下がり、国際社会における影響力も、もっと下がることは言うまでもありません。 (つづく)