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特別メッセージ

真の家庭運動推進協議会会長 徳野 英治

前回は性的少数者の権利や夫婦別姓を求める現代社会の趨勢から伝統的家族の価値観崩壊の危機を論じ、結婚しない若者たちの増加による国力衰退に警鐘を鳴らしました。引き続き講演文(4月5日、全国総会)の抜粋を掲載します。

家庭再建による救国・救世の真の家庭国民運動を推進しよう〈2〉

若者に結婚の意義と価値を伝えよう

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私は最近、「若者は結婚すべきです」という本来は当然の話を敢えてしています。つまり結婚の根本的な意義、そして価値、これを全ての日本の若者の前に、十分なる説得力をもってお話しできる理念をもっているのは、私たちしかいないからであります。実はこの真の家庭運動の提唱者である文先生は、次のような素晴らしい理念を既に発表されています。

男性と女性は宇宙の半分である。男性と女性が出会うことによって、神に出会う。男性は宇宙の半分、神様の半分。女性も宇宙の半分、神様の半分。男性と女性が合体となれば、神の全体像が見えてくる。従ってお互いの愛の器官は相手のために存在する。男性の愛の器官は女性のために存在し、女性の愛の器官は男性のために存在する。男性も女性もお互いに出会うことによって、神と出会う。神様の中に男性と女性の二性が共存し、神様はその統一された中和体として存在しているからである

一般の人にとっては、こういう話は初めて聞くのではないでしょうか。講演の中で、この文先生の理念を紹介すると、非常に新鮮で、こんな話は聞いたことがないという反応が結構出て参ります。このような理念や概念は社会の大人達も若者に教えることができない。大学の教授たちも学生達に教えることができない。家庭で両親も子供達に教えることができない。まさか「人口が減るから結婚しなさい」、これでは若者達に対しても全然説得力がない。単なる動物ではない以上、若者は納得しない! 結婚それ自体の本来の素晴らしさ、結婚の価値、これを若者達に特に強調しなければならない社会状況の段階に至っているわけです。私たちは文先生から何度も聞いていますが、一般の人から見ると、こういう観点を聞いたことがない。皆さん、APTFの指導者の方々は、今まで以上にこの結婚の意義と価値について、ぜひ一般の若者達に特に力を入れてご説明していただきたいと思います。

若者の自殺者が増えている

私は統一運動のアフリカの担当責任者をしておりましたときに、アフリカのさまざまな国のVIPにお会いしました。数名の大統領とも個別にお会いし、大臣クラスともVIPのセミナーでお会いしました。西アフリカのベニンという小さな国の外務大臣と会ったときに、その方が私に二つ質問をしました。それは今でも印象深くて忘れることができません。

一つ目の質問は、「なぜ日本は先進国であり、豊かな国であり、尊敬してやまない国でありながら、毎年、なぜ首相がころころ1年交替で代わるのですか?」。さらに「今の首相は誰でしたかね、カン首相でしたかね、コン首相でしたかね」。もう名前もはっきり出て来ない。続けて「毎年首相が代わるようでは万が一、我が国に日本の首相が来ても、その方と正式な外交交渉はできない。日本は、一体、どうしてそのようなのですか」と言うわけです。

当時はいわゆる衆参のねじれ現象が起きている状況であり、毎年政権が交代していました。やっと最近は安倍首相が登場し、衆参のねじれが解消され、一応安定した日本の政権になったわけです。国際社会で信用される国になるためには、毎年首相が代わるようでは、話にならないということなのです。

二つ目の質問は、「私たちアフリカから見たら、今でも日本はやはりジパング。黄金に輝いている。それくらい豊かできれいで素晴らしい国だと思っているのに、ある資料を見て大変驚いたのですが、日本は毎年なぜ多くの人が自殺するのですか。理解ができない」というのです。

実際WHOのデータを調べてみても、アフリカの自殺率はものすごく低いのです。そのベニンの外務大臣が言うには、「自殺というのは、私達アフリカ人にとっては、贅沢以外の何ものでもない。私たちは生きることで精一杯だ。何故自殺なんか考えるのですか」。こう言われて、日本人の一人として私は、どう答えていいか分からないくらい恥ずかしい思いをしました。

皆さんご存知のように、日本の自殺者は、過去16年間、毎年約3万人です。交通事故でなくなる人の数が、毎年約4000人ですから、その7倍です。これは19分21秒に1人が亡くなるという計算です。そのくらい多くの人々や若者達が生きる目的が分からず命を絶ってしまう。このような現象を見るにつけ、残念ながら、日本社会は病んでいると言わざるを得ないのです。「いや、日本は世界の中でも先進国で豊かな国だからむしろ哲学的にいろんなことを考え過ぎるから、自殺率が高いんじゃないですか」と反論されるかもしれませんが、それでは世界一の先進国であり豊かな国と言われるアメリカと比べてみてください。アメリカは人口が3億1千万、日本は1億2千万。アメリカの人口は約2.6倍です。自殺者の数は同じ3万人です。つまり、日本はアメリカより2.6倍自殺者が多い。しかも日本の自殺者数のデータをみると、2003年までは40代、50代、60代が最も多かった。しかし、2003年を境として10代、20代、30代が増えている。未来の日本を背負って立たなければいけない若者が、いとも簡単に自殺という道を選んでしまう。これはもう、小手先で教育の制度を外的にいくらいじってみてもどうにもならない。やはり根本的に、人生の価値、人生の目的、これをはっきりと教えることを軸とした若者たちに対する人格教育に根ざした、まさに根本的な教育の再建をしなければいけない。これをしない限り、日本社会は若者を中心に今後もずっとこの高い自殺率を続けることになるでしょう。 (つづく)

自殺者数グラフ