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特別メッセージ

真の家庭運動推進協議会会長 徳野 英治

前回までは伝統的家族の価値観崩壊の危機や、結婚しない若者たちに結婚の意義と価値を伝えなければならないこと、そして自殺者数の多さから病んだ日本社会を論じました。引き続き講演文(4月5日、APTF全国総会)の抜粋を掲載します。

家庭再建による救国・救世の真の家庭国民運動を推進しよう〈3〉

根本的真理を提示する真の家庭国民運動

総会写真

それでは果たして人生の目的を教えられる団体は、どこにあるのでしょうか。学校が教えることができますか? 両親が教えることができますか? 私は今でも私の学生時代の父とのやりとりを覚えています。私の父は、明治生まれであり、私は父が51歳のときの子供です。私の父は、ものすごく古い考え方の頭の持ち主でした。ロシアのことを露助、中国はシナ、韓国は朝鮮。父は外国航路の貿易船の船長でしたから、世界中へ行っています。その世界を見て、「中国も韓国もインドもまだまだ貧しい国である」と言っていました。そういう父親から見ると、「どうしてお前を大事に育てたのに、朝鮮人である文鮮明という人物をそこまで尊敬し、その教えに従うという結論に至ったのか」というわけです。

私は、それに対して2つの観点で反論しました。第1の観点。「じゃあ、父さん答えて下さい。イエス様は何人なにじん?」「ユダヤ人だろ」「ユダヤ人に対するイメージはどう?」「そりゃ、ユダヤ人なんていうのは、お金のことしか考えていない。いつも宝石とか、金目のものを持って世界中を逃げ回っているのがユダヤ人だ」「でもそのユダヤ人の中から偉大なイエス様が出たじゃないですか」「それは例外もあるだろう」「じゃあ、お釈迦様は何人?」「インド人だ」「インドはまだまだ貧しい。レベルの高いインド人はいないと父さんが決めつけているインド人の中から、立派なお釈迦様が出たじゃないか」「それも例外だろう」「じゃあ、文先生だって例外だよ。だからユダヤ人や韓国人に対するイメージは悪いかもしれないけど、その中でも立派な人はいくらでもいるんですよ」と言うと、父は沈黙し、「うーん…お前は理屈だけは覚えたようだ」と言って反論できないわけです。

もう一つ決定的に私が父親に反論したのは、「じゃあ父さん、僕に対していつ明確に人生の目的を教えてくれましたか。人生の目的は何なのか? 今、僕が納得できるような人生の目的に対する答えを言えますか?」「なにー、人生の目的。そんなのは簡単だ」「じゃあ言ってみて下さい!」。すると父は悔し紛れに「そんなのは、うーん、ともかく生きればいいんだ」と私に対しそのように反論するのが精一杯でした。

また、私は今以上に学生時代は単刀直入な性格であったため、大学の哲学の教授の研究室を、友人と3人で訪ねたことがあったのです。その教授に対し、「先生、人生の目的について教えて頂けませんか」とストレートに質問をしたのです。先生はじっと天を仰いで考えて「徳野君、人生の目的とは、人生の目的を探し求めることだよ」と言われたのです。2人の友人は「うーん、深い」「なるほど、さすが○○先生は哲学の先生ですね」などと、いたく感動していましたが、私は「それくらいの答えは私だって出せます。結局先生は分からないということなのではないでしょうか」と追及したら、先生は顔を真っ赤にして何も答えられませんでした。

やはり哲学の教授といえども、明確に人生の目的を教えられません。だから青少年教育、特に青少年に対する人格教育、倫理道徳の教育も、一番の根本である「人生とはなんぞや」「人生の価値とはなんぞや」「人間とはなんぞや」、歴史上のあらゆる宗教や哲学が、その答えを追究し続けてきましたが、そういう根本的な思想的真理を提示し得る理念体系を持っていなければ解答のしようがないわけです。そのような意味において本当に私たちAPTFならびに真の家庭国民運動の責任と使命は大きい。やはり我々が立ち上がらなければ、日本社会の特に若者達に対する人格教育、結婚教育、家庭教育等々は成し遂げられないと言わざるを得ません。

家庭を再建し、社会を再建する

親族間殺人の割合

家庭崩壊も近年、さらに深刻化しています。離婚は年々増えています。年間離婚件数は23万組です。なんと2分14秒に1組が離婚します。また、今日本の離婚率はおよそ35%と言われています。3組に1組です。アメリカは2組に1組です。家庭内別居の経験者は5組に1組。そしてさまざまな殺人事件。なんと全ての殺人案件の53%が親族間における殺人事件です。日本では1年間で児童虐待で殺される児童の数は50人。毎週1人の児童が児童虐待で殺されているということです。

また、厚生労働省のデータによれば、朝食を家族で一緒にとるのは25%だけです。逆に、朝食をほとんど家族と一緒にとらず、1人でとっているのは32%です。このように同じ屋根の下に住みながらも、家族の絆を結ぶ環境がどんどん後退している。つまり、家族間の人間関係における心の絆の喪失という形で、家庭崩壊は確実に進んでいます。今こそ真の家庭運動を通して、家庭倫理、社会倫理、そして家族間の心の絆を立て直さなければなりません。家庭倫理が崩壊すれば社会倫理は崩れます。人間社会の一番の基本単位は家庭であります。

従って、革新的なアプローチの理念を持つ家庭再建運動としての真の家庭国民運動は喫緊の最も深刻な救国・救世運動であると言わざるを得ません。この家庭問題にタッチせずして、真の意味において国の再建はありえない。真の家庭国民運動を立ち上げ、さらに推進することによって、この日本社会を再建する救国・救世運動の主役となって参りましょう! この2015年、皆さんと共に、日本社会に救国・救世運動としての真の家庭国民運動あり!と認められるような社会的な運動基盤を全国47都道府県において拡大して参りましょう!