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親日・国際家庭インタビュー 〔6〕

今嶋晋一/ガブリエラさん

あなたの幸せは、私の幸せ

日洪国旗

——家庭では言葉は?

晋一 家庭を持って5年になりますが、英語、日本語、ハンガリー語が混在しています。メーンはまだ英語ですね。日本語の方が簡単な場合は日本語を使うなど臨機応変に使い分けています。

ガブリエラ 家ではいつも(晋一さんが)冗談を言ったり、いつも明るくしてくれます。それでいて、何事にも動じない落ち着いたところがあって頼りになります。

——奥様は日本語上手ですね。

ガブリエラ 日本に来てから本格的に語学学校や大学などで学びました。

——日本で暮らすハンガリーの方はかなり少ないのでは?

ガブリエラ そうですね。でもフェイスブックなどで全国にいるハンガリー人と情報交換したりしています。

——日本での食生活は?

ガブリエラ イカ、タコなどは苦手です。ハンガリーは内陸国なので、川魚は食べるのですが、海のものはあまり食べる習慣がないんです。それから納豆には驚きました。でもだいぶ日本食には慣れてきました。

——日本で戸惑ったことは?

ガブリエラ 携帯電話で話しながらお辞儀をしている風景!

晋一 日本ではありがちですが、やはり向こうの人には普通じゃないようです。挨拶なら握手とか、お辞儀の習慣はないんです。

お父さんの”キス”に凍りつく

——ハンガリーの結婚事情は?

ガブリエラ 日本と似ているような気がします。晩婚化しています。籍は入れないで二人で暮らす事実婚も少なくないですね。宗教的にはカトリックが多数派です。

——ハンガリーとはどれくらい行き来しているんですか?

晋一 これまで6回行きました。昨年の年末、クリスマスもハンガリーで過ごしました。

ガブリエラ ハンガリーではクリスマスは1年で一番大事なものです。日本では普通に働いている人が多いですが、ハンガリーでは考えられないことです。

——晋一さんが、ハンガリーで驚いたことは?

晋一 初めて向こうのお父さんに挨拶した時に、いきなりキスされたことですね。驚いて体が凍りついてしまいました。

ガブリエラ 家族の中では、それは普通のことなんですよ。それを見ていたお母さんは、驚いている晋一さんを見て、逆にびっくりしている状態でしたから。

晋一 今ではハンガリーのことはだいぶ分かってきたのですが、将来的には、一度ハンガリーで暮らしてみたいと思っています。ずっとではなくてもチャンスがあれば。あるいは老後の楽しみということになるかもしれませんが。

自分より「相手の幸せ」を

——晋一さんからみて、奥様の素晴らしいところは?

晋一 何事にも真面目に、真剣に取り組むことでしょうか。人間関係でも私がそこまでしなくてもと思うほど細かく気を配ってくれます。友人でも何か気持ちを傷つけてしまったようなことがあれば、それを敏感に察してケアしたりしていますね。それに勉強や仕事も手を抜くことなく取り組んでいます。

——仕事というと?

ガブリエラ 今、フリースクールという形で英語を教えています。2〜6歳の子供たちに週に4回ぐらい。

——それは結構たいへんな仕事ですね。

ガブリエラ そうですね。でもいろいろあっても、家でよく話すのでストレスとかはないですよ。(晋一さんは)よく話を聞いてくれるので有り難いです。

——夫婦喧嘩はないのですか?

晋一 最初の頃はありましたよ。一番衝撃的だったのは、私が家でパソコンをしていたら、急に怒られたことですね。こちらは作業に集中していて、黙ってパソコンをしていただけなんですが、何か気を悪くして黙っていたと勘違いしたようで、「私の何が問題なの!」と怒りだしたんです。人の気持ちに敏感なせいなのでしょうが、そういう誤解はありましたね。文化の違いというより、男女の違いかもしれませんが…。

ガブリエラ テレビでじっとプロ野球をみている夫に怒ったこともありました。「私が隣にいるのになぜ?」と。もっとも今では二人で野球場に行くほど野球ファンになってしまいましたが。

——若いカップルへのアドバイスを。

晋一 まずお互いのことによく関心を持ち相手を尊重することだと思います。普通、結婚というと「自分の幸せ」を考えてしまいますが、結局は相手の幸せがあってこそ自分の幸せがあるのが結婚生活だと思います。自分が前面にでてしまうと、「自分はこんなに苦労しているのに…」といった具合になってしまいます。苦労はお互いさまのことですから。

自分の価値基準だけで相手をみると、「なぜこの人はこんなことを言うのだろう」と思ってしまうことがありますが、相手の立場から考えられるようになると見方が違ってきます。簡単ではないこともありますが、そうして生活していくと、どんどん誤解も減ってきて、実際、長くなればなるほど良い二人の関係になってきていると思います。