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健康一番 (10)

ジャーナリスト 高嶋 久

かかりつけ歯科医で歯周病予防

50代になって歯科医に通う回数が増えました。若い頃に虫歯の治療で被せた銀歯やセラミックが劣化し、外れたり折れたりするからで、治療費のトータルが病院を超える年もあります。そこで、歯について調べてみると、歯周病予防の大切さが分かりました。

歯周病と虫歯は、病原体と発症が違います。歯周病はその名のとおり、歯を支えている周りの組織に起こる病気です。空気に直接触れないところで増殖する「嫌気性菌」の歯周病菌によって発症し、歯ぐきやその内部の歯を支える骨(歯槽骨)にダメージを与えます。

それに対し虫歯は、空気に常に触れているところで増殖する「好気性菌」の虫歯菌が歯の表面で増殖し、歯そのものを溶かします。もっとも、虫歯も歯周病も予防は同じで、歯垢や歯垢が固まった歯石を除去し、口の中を清潔に保つようにします。

厚生労働省の調査によると、50歳以上の9割以上が歯肉に何らかの異常があり、中高年の人が歯を失う最大の理由が歯周病です。健康長寿のためには、自分の歯でかみ続けることが大きなポイントなので、歯周病対策が必要なのです。

そこで、歯周病に関する本によれば、歯磨きも大事ですが、それだけでは歯周病の原因である歯垢を取ることはできず、半年に一度は歯科医に通い、取ってもらう必要があるのです。確かに、歯科医では、治療が終わると、「歯の掃除をしますので、次は○月に来てください」と、3か月後くらいを指定されます。それで、結果的にかかりつけ歯科医を持つことになったのですが、20〜30代からそうすべきだったと反省しています。

大阪大学歯学部の天野敦雄教授によると、日本人が歯周病菌に感染するのは18歳以降で、大人の日本人の約60%が、口の中に歯周病菌を持っているそうです。歯周病菌は一度すみつくと除去できないので、定期的に歯垢を取るようにします。歯の掃除だけだと1回で終わり、費用も1000円以下ですみます。

歯磨きで出血すると黄信号で、血液の栄養をえさに歯周病菌が爆発的に増えるため、天野教授は歯科医にかかるよう勧めています。

歯周病が恐ろしいのは、歯周病菌が歯ぐきの傷から血管に入り、全身を駆けめぐると、糖尿病をはじめアルツハイマー病、脳血管や心血管の病気、リウマチ、がん、肥満などになりやすく、寿命を縮めることです。

もちろん歯磨きも大事です。唾液には口腔内の細菌の活動を抑える効果があるのですが、就寝時には分泌が少なくなります。そこで、食後に歯磨きする人が多いのですが、一番重要なのは就寝前です。

私は上の奥歯が1本、歯周病になりかかっているので、少なくとも半年ごとに歯科医に診てもらい、歯垢を取っています。最期まで自分の歯でかめることを願いつつ……。