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お日さまニコニコ毎日前進![10]

家庭教育アドバイザー 多田 聡夫

「家庭力アップ講座」(3) 第1章 序論

(6)真の愛情を伝えましょう

「おまえが子供でよかった」、「両親が、お父さんとお母さんでよかった」と言える親子関係を育むためには、まず親子の信頼関係を結ぶことが大切です。そのために、親は子供の心を感じ取れるよう、アンテナを張っておかなければなりません。

子供の気持ちを感じるようにしながら、率直に親の気持ちを伝えることです。子供に共感してこそ、親子の心の交流が始まるのです。

共感的関係の中に初めて、親子が心を一つにできる道があります。共感的関係を通して愛が成長するのです。

心は、「育つ」ことが主体であり、「育てる」ことは対象です。「教える」ことを中心にしていると「育てる」という意識が強くなります。「育てる」意識が強い人は、「自分に優しく、他人に厳しい」人が意外に多いのです。一方、「子供の心が育つ」ことに関心を持っている親は、「自分に厳しく、他人に優しい人」が多いようです。子供から見ると、「何でも話せる親だ。いいことだけでなく、失敗したことや、悪かったことでも話せる」といった、親に対しての信頼と安心を感じることが大事でしょう。そうすれば子供の心は育つのです。ですから、親が共感的に子供の話に耳を傾けることで、親の考えや気持ちを理解できるように忍耐強く伝えることが大切になります。「子供の心が育つ」ことを優先している家庭では、子供の「自立の心」、「思いやりの心」、「感謝の心」がよく育つようになります。

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□親の感想を紹介します。

「生活の中で、子供たちに対して『教える』という立場で接していた自分が多くあり反省するばかりです。まず、私自身が、心の教育を受けさせていただいたことがとてもよかったです。人に要求するのではなく、自分自身が変わることの大切さを実感しました。今日からこの内容を実践して、家族で話し合いの場を持ちたいです」

正に私は、子供を育てるのではなくいつも何か『教えて』いかなければという思いから言っていたことに気づかされました。私が、してあげなければ、教えてあげなければ、正してあげなければ、という思いから出発していたように思いました」

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「親は権力をもって子供を扱うべきだ」という考え方があります。そうしなければ子供はつけ上がり、親の言うことを聞かなくなるので、親が権力と位置をもって命令し、あるいは指導し、躾をしないといけないというのです。これは、親が子供に無理矢理「教えて」育てようとすることです。

どんなときに権力を行使しようとするのでしょうか。たいていは、愛することに自信がなく、子供としっかり向き合って授受作用することができないときに親は、権力にものを言わせようとする傾向性が強いのです。ですから、子供としっかり向き合い、愛情が子供に届いていることが分かれば、親と子供の心を一つにすることができるようになるのではないでしょうか。心を一つにして子供と共感できてこそ、子供のために何かをしてあげることができるはずです。上から目線や指示命令だけでは、親子が心を一つにすることはできません。親が、上から目線で自分を見つめていることを、子供は敏感に感じ取ってしまうからです。子供は親の動機を見抜くチャンピオンなのです。

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□親の感想を紹介します。

「親の力で子供に接することが多く『〜しなさい』と日々連発していましたが、私の姿勢や行動が変わることで子供は変わっていくし成長していくということが改めて理解できました。子供は親の好きなものを好きになりたいという孝の心情を持っていると聞き、それを妨げているのは、自分自身だと思うし、いつの間にか自分の思いを中心にすべて判断し、行動している事を反省して、できるだけ家族の気持ちを尋ねていきたいと思いました。先日、子供が遅くまで帰ってこなくて、すごく叱った日があり、次の日は早く帰ってくるだろうと思っていたのですが、その日も帰って来ず、子供を探し回す羽目になりました。『昨日言ったのにどうして帰ってこなかったの? お母さんは心配してるのよ』と言ったところ、本人は、『まだ遊びたかった』と言いました。その気持ちを受け止めてあげればよかったと反省しました」

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親子が一つの心になるためには、上下関係という状況ではできません。親が上にいて息子、娘は下にいる、それでは親子は一心になれないのです。同等な立場で平面的に位置していてこそ、一心になれるのです。夫婦も同じです。

共感的関係において内外関係、前後関係の位置に立ってこそ一心になるのであって、上下関係では絶対に一心になれません。

親子は、同等な立場で平面的に位置していてこそ、一心になれるのです。これは全ての人間関係に当てはまるものでしょう。もし、親として子供と心を通じ合えるようにしたいのならば、子供の上にいるのではなく、子供の横に来て寄り添うように接する必要があります。また、子供を、涙で背負ってあげる気持ちで寄り添ってあげる必要があるのではないでしょうか。そうすれば、子供が親を信頼し、慕って、横にいるところから自然に親を自分の上に押し上げてくれるようになるのです。