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お日さまニコニコ毎日前進![11]

エッセイスト 櫻井 ひろみ

「結婚後の夫婦生活」に見る男と女、今昔

そもそも夫婦とは「妻が社長、夫が副社長(もしくは部下)の企業」のようなものです。つまり結婚とは、二人で新しく企業を立ち上げる(起業する)ということ。経営方針は家庭によってそれぞれですが、基本的に社長がリードし、副社長はそれに従うのがルール…。

これは、心理カウンセラー・五百田達成(いおたたつなり)氏の名言(?)です。きっぱり断言されると「そうかな? そこまで言っちゃいますか?」と、ツイッターのように脳裏を横切るのですが、東大出身の先生のご発言だけに重みを感じます。

大きな希望を抱いて「結婚」に向かっている人たちには、なんとも夢のない話ですが、すでに新婚気分も過去のものになり結婚生活の日常を迎えている皆様にとってはどうなのでしょうか?「家庭=企業」「夫婦生活=仕事」という受け止め方には納得感もあるのでしょうか?

毎年20万組を超えるカップルが離婚に至りますが、職業選択の自由(浮気)で退職されたのか、あるいは上司との人間関係(性格不一致)に疲れ果てたのか、あるいは企業倒産(家庭崩壊)…と、その原因は様々でしょうが、退職後は不景気で再就職(再婚)も決して簡単ではないかと拝察いたします。

往年の先輩の皆様からすれば、「なんと甘いことを言っているのか! 一旦就職したら石にかじりついてでもガンバレ!」と喝を入れたくなる甘ったれた感覚なのかもしれませんね。離婚にいたるのも、結婚後「5年以内」が圧倒的に多いのが現実です。結婚のなんたるかもわからないうちに離婚に踏み切る若者たちに、言葉を失っていらっしゃる先輩の皆様のお顔が目に浮かびます。

一方、「今は時代が違うんだよ.、先輩の時代は離婚したら女性は生きる道を失う時代。今は男も女も自立の時代。離婚のハードルはず.っと低いんです」「そもそも、愛も冷めた関係を維持し続けることに何のメリットがあるんですか? 先輩たちは『離婚』は避けていたとしても家庭内別居や家庭内離婚が多いと聞いていますよ!」と、逆襲の声も聞こえてきます。

確かに、20年以上も寄り添って夫婦生活を送りながらも離婚に至る率は、結婚歴10年から20年の離婚率を抑さえて上位に伸びています。子育てを終えて妻から突然、三行半(みくだりはん)を突きつけられる男性の皆様も随分いらっしゃるようです。時代の流れでしょうか…。

かつて、雑誌「婦人公論」(2012年3月号)に特集「人生の断捨離をはじめよう」という記事がありましたが、主婦たちが答えた「私が一番捨てたいもの」の第1位が「夫」でした。ちなみに第2位が「過去」、第3位が「衣類」です。

家族のために一生懸命働いてお金を入れる夫たちを、そのお金で買われる衣類よりも先に断捨離してしまったら衣類も買えなくなるので、とりあえず忍耐しているという構図でしょうか。

もし「家庭=企業」とみるなら、それは社員教育の失敗とも考えられます。社長は人材採用の時には十分に入社面接を行ったはずです。その新入社員を教育する力量がなかったとも考えられます。あるいは、ビジネスパートナーととらえるなら、経営方針の不一致がもとからあったとも考えられます。

毎年離婚の約10%は離婚裁判に持ち込まれますが、離婚理由の第1位は男女ともに「性格不一致」です。採用時には大いに期待したからこそ入社を許したのでしょうが、いざ仕事をさせてみると「こんなはずじゃなかったのに…」といった感じでしょうか。

人には怠け癖や、整理整頓が苦手な性格、あるいは身勝手な欲求など、生活してみなければわからない部分も多くあります。特に男女の違いは巷(ちまた)に多くの書籍が氾濫するほどに「どうして?」「まさか?」「だったら先に言ってよ!」と叫びたくなる材料が山ほど存在するのです。

例えば、多くの男女分析本の中に共通するものとして「男はいつまでも子供」というのがあります。男性は、いくつになっても母性を追い求めており、結婚後も妻に「母親」を求めるというわけです。わたしたち女性の立場からみたらウンザリですが、妻に新しい母親を求めて甘えてくるのです。結婚前にはキザな態度で貴公子を気取っていながらですよ…。その変わり身に、妻たちのショックは隠せません。5年以内の離婚が一番多いのにもうなずけます。

一方、女性はいつまでも「女」でいたいのです(ですよね? 女性の皆さん)。女が女でいるためには男性の役割が必須です。シンデレラの気分を結婚後も持続させてくれなければ、ただのオバサン化してしまいます。結婚前にはさんざん持ち上げて、結婚後はドスンじゃ、”釣った魚にエサはいらない”状態です。

男と女は違います。だからこそ結婚後の「努力」は絶対条件です。言葉の努力、気持ちを伝える努力、家事協働の努力、ときめき継続の努力…。そうです、夫婦にとって「努力」=「愛」なのです。家庭の中に常に新鮮な愛の風が吹くために「努力」を怠る夫婦には「企業倒産」が待ち受けるのみです。「お日さまニコニコ毎日前進」のために小さな「努力」を大切に…。