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親日・国際家庭インタビュー 〔11〕

菅原一興/辛和炫さん

あなたの笑顔がいちばん!

浅草でのデートで夫婦げんかに

日韓国旗

——普段は何語で会話を?

和炫(ファヒョン) 日本語も韓国語も使っています。一緒に暮らしていくうちに、お互いの言葉が混じって、日本語でもなく韓国語でもない不思議な言葉を話していることもあります。

一興(かずおき) 彼女が結婚する前に韓国の大学で、日本語を勉強してきてくれたので、日本語もある程度通じるのがありがたいです。僕自身も妻と暮らすことで自然に韓国語が身に付き、簡単な日常会話なら韓国語でできるようになりました。まさに国内留学です(笑い)。

——新婚当時の思い出は?

一興 良い思い出とは言えませんが、強烈に覚えているのは家庭をもってすぐの浅草でのデートです。もともと彼女が行ってみたいと言っていた場所だったので、喜んでくれるだろうと期待していました。

和炫 確かに行ってみたかったのですが、その日、浅草はものすごい人混みで、正直疲れてしまいました。

一興 行きたいと言っていたのに、着いてみるとあまり機嫌のよくない妻を見て、正直がっかりしました。一通り浅草寺を見て、もんじゃ焼きを食べて帰ろうとしたときに、隅田川の河川敷の桜がすごくきれいに咲いていたので、その桜を最後一緒に見て帰りたいと思ったのですが、疲れ切っている妻は「行きたくない」と(笑い)。それでも諦めきれなかった私が河川敷で桜を見ているうちに、妻がいなくなっていました。

和炫 私は疲れていて、何となく歩いていただけだったのですが、気が付くと夫が後ろにいませんでした(笑い)。

一興 その後人混みの中を必死に探し回って妻を見つけたのですが、お互いに大変気まずくなり、結局、別々に電車で帰ってきてしまいました。今のところ、これが最初で最後のいちばん大きな「夫婦げんか」です。

和炫 日本に来て日も浅くストレスがたまっていたのかもしれません。それがそのタイミングで爆発してしまったのでしょう。今は、お互いの好きなものや嫌いなものが分かるし、お互いに合わせたり、譲ったりすることができるようになりました。

一興 妻は韓国人だからなのか、良くも悪くもストレートです。最初はそこに葛藤を感じることもありました。しかし、すれ違いがあっても相手を信じることが大切だと思います。ある時、ふとした瞬間でしたが、妻が私のことを深く思ってくれていることに気付いたのです。そのときから私の妻への思いが大きく変わったように思います。

——お互いの素晴らしいと思うところは?

和炫 夫は、料理や掃除をよく手伝ってくれるので、本当に助かっています。またジョギングが大好きで、1時間くらい走ってきて汗だくで帰ってきます。自己管理をしっかりしていて、自分なりのストレス解消法をもっていることはよいことだと思います。私は夫の笑顔を見るのがいちばん好きです。無邪気な表情にとても癒やされます。

一興 私が普段、妻にいちばん感謝しているのは、よく笑ってくれることです。テレビを見たり、ちょっとした会話をしたりする中で共に笑い合えることが、何よりも幸せな時間だと思っています。

夫婦、親子で「学び」成長したい

——お子様は?

一興 昨年2月に、長女が生まれました。韓国で出産したので残念ながら立ち会うことができませんでしたが、お義母さんが生まれたばかりの娘の写真をすぐに送ってくれました。仕事中だったのですが嬉しくて声を上げてしまいました。今、娘はつかまり立ちを始め、寝ているときもよく動くので、いつもそばについている妻は本当に大変そうです。

和炫 寝返りを打てるようになってからは、行動範囲がものすごく広がりました。でも、本能的な動きだとは思いますが、寝返りを打てるようになるまでは、本当に何度も何度も挑戦していました。なかなか思い通りに体が動かないので泣き出すのですが、泣きながらも続けるので、そばで見ている私まで感動して泣きたくなりました。

一興 娘の姿を通して、私たちも挑戦し続けることや、つらくても頑張ることの大切さを教えられました。

和炫 日韓家庭に生まれたので、娘には日本語も韓国語も使えるようになってほしいと思っています。

——5年後はどうなっていたいですか。

和炫 あと2人子供がほしいです。3人を育てるのは大変だとは思いますが、言葉でああしなさい、こうしなさいと言って育てるのではなく、私の姿と行動を見て学んでもらえるような母親になりたいです。「学び」は生涯やっていくものだと思います。娘の寝返りの話もありましたが、子供から私たちもたくさん学んでいくでしょうし、子供たちも父母の後ろ姿を見ながら成長していくと思うので、どんなことでも熱心に頑張ることが大切だと思います。

一興 家族全員が安らげる賑(にぎ)やかな家庭をつくっていきたいです。また自分自身が父親としての生き方を通して子供に教訓や、良いメッセージを伝えていけるようになりたいと思っています。そのためにも家庭内では妻を大切にし、社会人としても志をもって貢献していきたいです。