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親日・国際家庭インタビュー 〔14〕

重実彰さん/ナッチャヤーさん

日本から「象に乗って来た」夫

日泰国旗

——自己紹介をお願いします。

 ナッチャヤーさんとは2000年に知り合いました。家庭を持ったのは2009年です。子供は、今年から小学生になった長女と、下に男の子が二人います。家庭を持つまでの期間は、仕事の関係で日本とタイ、あるいは日本とアメリカなど、遠距離での交際を続けていました。

ナッチャヤー 彰さんにタイの私の故郷に来てもらって結婚式を挙げました。私が初めて日本を訪ねたのは2007年のことです。今は3人の子育てで精いっぱいの日々を過ごしています。

——国際結婚に対してご家族はどのように思っておられますか?

ナッチャヤー 日本は遠いので最初は心配したようですが、日本人の男性と結婚することに対しては特に強い反対はありませんでした。両親に彰さんの写真を見せた時もとても良い印象を持ったようです。不思議なことに、両親が彰さんと実際に会う前のことですが、お母さんは、彰さんが象に乗って家にやって来る夢を見たのだそうです。お母さんはとても良い夢を見たと喜んでいました。タイでは、象はとても縁起のいい動物なのです。実際に彰さんと会った時も、彰さんがよく笑い、笑顔で交流してくれたことに対してとても良い印象を持ったようです。

——彰さんはナッチャヤーさんの家族とはどのように交流されたのですか?

 『旅の指さし会話帳①タイ』という本を使いながら交流しました。ナッチャヤーさんの故郷は大変な田舎で、かめの水を飲むのですが、すぐにお腹を壊しました。でも、タイの雰囲気はとても自分に合っていて、気持ちよく過ごしました。

——彰さんのご両親は国際結婚に対してどのように思っておられますか?

 最初は外国人と結婚することに対しては抵抗感があったようですが、子供ができてからは受け入れてくれるようになりました。でも、国際結婚に対する理解はまだまだですね。

居心地が良いタイの国民性

——ナッチャヤーさんのご家族に対する彰さんの印象は?

 親子の信頼関係が強く、特に長女のナッチャヤーさんに対する両親の信頼は絶大です。家族のこと、家のことや家の商売に関することなど、必ず相談してきますね。

——日本の生活で大変なことは?

ナッチャヤー 日本の生活で大変なのは言葉の問題です。特に漢字が難しいです。読むのも書くのも難しいですね。子供の小学校入学に当たってもいろいろな書類を準備しなければならなかったのですが、本当に苦労しました。

——タイの国民性に対する印象は?

 全体的にゆるい感じの印象を持ちました。大雑把と言えば大雑把です。おおらかさ、寛容さと言ってもいいですね。細かいところを気にしませんし、変わっている人や、特殊な人、出る杭のような人……、どんなキャラクターの人も受け入れる器があるように感じました。相手を許し、受け入れる世界があって、人間関係の面でも居心地の良さを感じました。妻のことをもっと理解するためにも、いずれタイにはぜひ住んでみたいですね。

——タイの家族との思い出は?

 ナッチャヤーさんの家族が海に行ったことがないというので、私がタイを訪ねた時に家族みんなを連れて海に行きました。とても喜んでいました。今後も家族をサポートしていきたいと考えていますし、家族との時間をなるべく持っていきたいと思っています。

——幸せを感じるときは?

 妻とは相性も合い、一緒にいても文化的な壁も感じませんし、葛藤もありません。日本人に比べたらルーズなところはありますが、それも含めて特に気にならなく、僕にとってはそれがとても心地いいですね。タイ人と結婚して良かったと思っています。

外国人と共にある日本の未来

——心配なことは?

 妻が子育てで疲れていることですね。仕事が忙しくて時間的に難しいのですが、父親としてもっと子育てに関われるようにしないといけないと思っています。今後は仕事の内容を見直して、妻を支え、助けられるようにしたいと考えています。

——夢は?

 日本在住の外国人に日本語を無料で学べるプログラムを用意してあげたいと思っています。子供が生まれてからだと子育てが忙しく、勉強する時間もなかなか取れないので、子供が生まれる前に学ぶのがベストですが、子供が生まれてからでも学べる機会がもっとなければならないと思います。優秀だけれど、日本語ができず苦労している外国人は多いのではないかと思います。

——国際結婚家庭として改めて一言。

 日本のこれからが心配です。日本は人口が減少しています。そういう意味でも、外から人を入れざるを得ませんよね。外国人がたくさん増えることが嫌だという人もいるけれど、これからの時代は日本人だけではやっていけないと思います。ビジネスの面でも外国人との交流がますます増えるでしょうし、日本人も外に出て行かざるを得ないでしょうね。国際結婚に限らず、海外との交流が活発になっていかざるを得ないのがこれからの時代だとみています。