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春夏秋冬つれづれノート

ジャーナリスト 堀本和博

「海の日」に。いまや魚消費量の半分は輸入頼りで、日本の水産業の構造改革と近代化が急務

♪ 海はひろいな大きいな/月がのぼるし日がしずむ…(『海』作詞・林柳波)。♪ 我は海の子白波の/さわぐいそべの松原に…(『われは海の子』詩・宮原晃一郎)。♪ 松原遠く消ゆるところ/白帆(しらほ)の影は浮かぶ…(『海』作詞者不詳)。

年配の方には懐かしい海に親しむ童謡や文部省唱歌を口ずさみたくなる、夏本番の近い晴れ渡った暑い日がやってくる7月である。河川愛護月間の7月は川にちなむイベントなどが各地で予定されている。牽牛と織り姫が年に一度、天の川で出会う七夕の7日は、旧河川法制定などで確立された近代河川制度100周年だった平成8年から「川の日」となった。

そして、今年は18日が祝日法が定める21回目の「海の日」。「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」日である。今は7月の第3月曜日となっているが、平成8年からの施行当初は7月20日だった。昭和16年に制定された「海の記念日」を受け継いだこの日は、明治天皇が明治9年に北海道・東北巡幸の折に乗られた灯台巡視船「明治丸」が横浜港に帰着した日付にちなむのである。

こんな由来の海の日だが、四方を豊かな海に囲まれた島国に生きてきた日本人は、冒頭の歌詞からも分かるように古来から海に親しんで生活してきた。魚食の芸術にまで昇華した寿司は今日、健康食志向にマッチして世界にブームを呼んで広がる和食文化の柱。寿司は江戸時代からだが、日本人の魚食は遥か縄文時代に遡る。当時の貝塚からはアサリの貝殻や魚の骨が出土しており、古来からの魚食文化の萌芽にたどれる。

また日本人の食卓から「魚離れの進行」が言われる昨今だが、国連機関のデータでは、一人当たりの水産物消費量はアイルランドに続く世界第2位。まだまだ世界平均の3倍以上の魚を食べている。ところが、その魚を供給する、かつては世界一だった日本の漁業はこのところ衰退が著しい。最盛期の昭和59年に1282万トンを記録し、1972(昭和47)年から80年代後半まで漁業生産量世界一を続けた日本の漁業だが、平成25年にはピーク時の約3分の1の479万トンにまで落ち、中国、インドネシア、インド、ベトナム、ペルー、米国に次ぐ世界第7位にまで後退した。

いまや日本の魚消費量の半分は輸入頼り。東日本大震災と津波被害の影響も大きいが、日本は農業だけでなく、水産業も構造改革と近代化を迫られているのである。