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親日・国際家庭インタビュー 〔16〕

児玉一/玄雪梅さん

「週1の話し合い」を必ず実行

日中国旗

——奥様はいつ日本に?

雪梅 私は中国の吉林省の出身で、日本にきたのは2000年の3月です。児玉一さんと家庭を持ったのは2001年です。

——日本人との結婚に中国のご家族は?

雪梅 私は一人娘ですし、反対されましたが、最終的には「あなたが幸せになるのなら…」ということで認めてもらいました。

 結婚にあたって大変だったのは、役所の手続きでしたね。現在は両国とも簡略化されましたが、当時は苦労しました。まず日本で外務省と法務省に行って、本当の結婚なのか審査を受けるんです。3か月かかってやっともらった証明書を持って、今度は中国の役所へ。まず健康診断があって、二人とも病気を持っていないことを医師に証明してもらい、それからいろんな役所に書類を出してハンコをもらわなければなりません。中国でのことは、あらかじめ情報を聞いていたので、手続きのために1週間会社を休んで行きました。そもそも役所は行ってみないとやっているかどうかさえ分からないのです。やっていても午前中で終わりとか、とんでもない「お役所仕事」なわけです。だからいつも婚姻手続きをする人たちでごった返している状況でした。私たちは限られた時間で完了しないといけないので、日本から「お土産」を担当者らに渡して、運良く1週間で済みました。最後に結婚を認める証書をもらった時は二人で思わずガッツポーズしたほどです。

——奥様は美しい日本語ですね。

雪梅 中学校から日本語か英語を選択できて、日本語を学びました。大学でも日本文学を勉強したので、不自由はしません。

——日本に来て驚いたことは?

雪梅 中国では誕生日などちょっとしたイベントでもすぐ親族が集まりますし、頻繁に連絡を取り合っています。でも日本ではそういう雰囲気はないですね。兄弟や親族の関係が希薄なことにショックを受けました。

——ご主人のご家族は?

 両親は隣の家に住んでいるのですが、良いお嫁さんが来てくれたと喜んでいます。妻は私の両親を実の親のように慕って、尽くしてくれます。父親の良い話し相手になってくれていますし、母から日本料理を教えてもらったり、とても良い関係になっています。

積極的にPTA活動に参加

——日本料理をつくるのですね。

雪梅 やはり夫が日本人ですから、つくる料理はほとんど日本料理ですね。今では自分の味覚まで変わってしまいました。日本料理は比較的薄味で、砂糖を使うなど甘いものが多いです。最初はその感覚が分からず、失敗することもありましたが、今では逆にさっぱりした味に慣れてしまって、中華料理などの辛いものがあまり食べられなくなりました。

——ご主人の素晴らしいと思うところは?

雪梅 夫は考え方の芯がしっかりしていて、ぶれずに判断するので、一緒にいて安心感があります。それにユーモアがあってロマンチストです。夫が初めて中国に来た時も、迎えに来た私と母にバラの花を用意してくれていたり、日常生活でも私があったらいいなと思うものをしっかり分かっていて、サプライズ的にプレゼントしてくれたり…。私はとても幸せです。

——お子様は?

雪梅中3の長男と小6の長女がいます。子供が幼稚園の頃から、PTAなどに参加して、ご近所のお母さんたちと交流しています。小学校でも中学校でもPTAの役員を毎年のようにしています。学校のことが知りたいし、そうしないと言いたいことも言えないと思っているからです。でも多くのお母さんたちは役員をやりたがらないですね。役員を決める場になると、もう殺気だった雰囲気になったりします。

——中国の学校とは違いますか?

雪梅中国では小学校から大学まで政治思想教育があります。一方、日本は家庭科など生活に即した教科がありますが、中国ではありません。それから、子供たちの個性を大事にするゆとりのある教育だなと思います。中国は最初から詰め込み式だし、理解できない子はすぐに置いていかれます。日本はレベルを子供に合わせていくし、教師も子供に対して平等です。これが民主主義国家なのかという実感がありましたね。

10年かかって「良い夫婦」に

——若いカップルにアドバイスを。

 やはり国が違うと、考え方など隔たりがあるので、最初からスムーズな結婚生活ではありませんでした。喧嘩もずいぶんしました。結局、認識の違いや前後関係を理解してなかったりでの誤解が多いんです。お互いモヤモヤした気持ちが溜まり、夫婦間で嫌な空気が流れるようになった時、このままではだめだと危機感を持ちました。そこで、どんなに忙しくても週に1回必ず夫婦で話し合う時間を設けようという約束をしたんです。それが7年前で、以来ずっと守っています。1週間の反省とか、お互いに言いたいこと、聞きたいことなどを話します。最近は子供の話題が多いですね。それでお互いの目線が合うようになるかというと合わないのですが、一つの事実を違うように捉えていることを理解することが大事です。誤解も解消してスッキリするし、次第にそれを受け入れられるようになりました。自分なりの理想の妻像を持つのは構わないのですが、その型に相手を当てはめて、現実とのギャップから自分勝手に怒るのはむなしいことです。それより妻の笑顔を見たい、自分が妻のためにできることは何か、あるいは妻の成長を願った行動を自らすることの方がずっといい。そう気づくのに10年近くかかりました。