機関誌画像

ふるさとづくりのススメ 実践スローライフ〈9〉

ジャーナリスト 高嶋 久

自治会長になり祭りのやっこ行列

ふるさとにUターンして14年、順番で6軒ある私の班が自治会のお世話をすることになり、話し合いで私が自治会長に選ばれました。自治会の役割は、①交通安全、防犯などの問題対処、②地域の清掃、③親睦です。主な行事は3回ほどの総会、水路掃除、草刈り、敬老会、神社のお祭りなどで、たまたま神社のやっこ行列の当番の年でした。

総会を開いて水路掃除や草刈りの日時を決め、やっこ行列について経験者に説明してもらいました。5月初旬の日曜の朝8時から10時まで全員参加で水路掃除をし、私は写真を撮り、パンとお茶を配りました。その他、防犯灯の電球切れなどがあったので、市の担当者に連絡して直してもらいました。

神社の秋祭りは10月の第3日曜日。やっこはその3日前から旧町内の800数十戸を回って祭りを知らせ、家のお祓いをし、繁栄を祝います。私の自治会では20年ぶりの当番で、9月から練習を始め、長老を迎えて2晩、実技指導を受けました。

祭りになるとみんな協力するので、32戸から最大80人が出てくれました。普段は自治会活動に出てこない若い人たちも顔を出し、わざわざ都会から帰省した人もいて、総会を開くと同窓会のような輪ができていました。

手間がかかったのは全員の役割分担とチーム編成、ルートの決定です。いろいろな要望を聞いて、家に帰ってパソコンで整理し、翌日には変更案を示したので喜ばれました。

「えーやさー、やっこまかせー、ささ、よいやさのさ」と、威勢のいい声を響かせながらやっこ行列は進みます。先頭で拍子木を打つのは長老の役。続いて提灯を担いだ2人が、独特の振りに民謡や演歌を歌いながら、祭りの案内口上を語ります。

次いで2人の傘持ちが、家の玄関を傘でお祓い。そして、挟み箱を担いだ2人が、じゃらじゃら音を立て、その後を5組10人のやっこたちが、白や黒、ねずみ色の毛槍を投げ合いながら進みます。女性たちは数軒先までやっこが来たことを知らせ、所作が終わると祝儀を受け取ります。留守の家には、やっこが来たことを知らせる紙を残し、律儀な人は、後から祝儀を届けてくれます。これを3チーム作り、自治会館では女性たちが昼食と夕食を用意してくれました。

本祭りでは、3基の神輿が本殿から御旅所まで往復するのを、全員そろって獅子舞と一緒に先導します。3日間の成果で所作も揃い、沿道からも拍手が送られました。

その夜は、町の温泉で直会なおらい。若者から老人まで集まり、久し振りの自治会上げての宴会になりました。後日、独り暮らしの老婦人が、昔のような賑わいを見てうれしかったと言って、わざわざ枝豆を届けてくれました。