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ふるさとづくりのススメ 実践スローライフ〈11〉

ジャーナリスト 高嶋 久

お年寄りたちとの楽しい会話

最初の自治会長から5年が経ち、昨年4月から2度目の自治会長を務めています。5〜9世帯の班が5つあり、1年交替で自治会活動を、会長、会計、体育、農事の各委員で担当します。今年、市の社会福祉協議会(社協)から言われたのは地域見回り隊の創設です。地方でも人々の絆が弱まり、引きこもりや孤独死が課題になっているのです。

その役割が福祉委員で、私の自治会では長らく70代の女性が務め、75歳以上の人に呼び掛け、月に1度、自治会館で昼食会を開いていました。市から補助金が出て、参加者は200円出します。ところが、80歳になった彼女が交替を言いだしたので、私の妻が気楽な気持ちで引き受けました。

妻は昼食会を隔月に減らし、その分、血圧測定や手芸など工夫したのですが、食事の作り方などで先代との確執が生じるようになり、「もうやらないからね」と宣告。地域の問題の多くは人間関係が原因です。

しかし、昨年4月の最初の総会で福祉委員は決まりませんでした。トラブルの話が広まり、誰もやりたくないと思っていたのです。そこで私が提案したのは、福祉委員の活動は幅広く、誰もが体験した方がいいので、昼食会は自主的にしてもらい、福祉委員も班から毎年選出することです。

自治会では班長が毎月、市の広報を配布して回り、近所付き合いもあるので、都市部のように見守り隊を作るほどの必要はありません。当面は、年に2回ほど市の学習会に出てもらうことくらいです。帰宅して妻にもそう説得し、今年1年は続けることになりました。

老人たちの昼食会には、私も自治会長として招かれます。炊き込みご飯に酢の物とおつゆを頂きながら、イノシシ対策や農作業、小学校の統合など地域の情報を報告し、話題が尽きると、昔のことを聞くようにしています。

私の母が特養に入所していた時もそうですが、若い介護士の人たちは技術はあるのですが、話題はあまり通じません。昔の記憶を頼りに話を聞くと、お年寄りたちは思い出しながら楽しそうに話してくれます。知らないような話も聞けるので、生きた歴史の勉強にもなります。

65歳を過ぎてから、先輩に頼まれて地域の老人クラブに入りました。年に数回、集会場の掃除が回ってくるので、会員たちを集めて出掛けます。研修会では、70歳で高校に入学し、卒業した女性の講演があり、女性のたくましさに感心したものです。

エンターテインメントはお遍路さんの格好をした男女の合唱と、女性たちの傘踊り。傘踊りの女性たちには、神社の祭りにも出演してもらっています。地域活動の主役は女性で、女性との関係を良好にしておくのが成功のコツです。勿論、妻とも。