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特別メッセージ

APTF常任顧問 徳野 英治

前号に引き続き、岡山市での講演の抜粋を掲載します。

人生の意義と価値(後編)

家庭は人生における愛の学校

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今朝のニュースを見ていましたら、最近は残念ながら結婚をしない男女が多く、また、離婚する家庭も多いという深刻な現状であります。

一人きりで、独りぼっちでクリスマスを過ごす青年や人々が増えていて、これを「クリぼっち」と言うそうです。その「クリぼっち」の人たち向けのケーキや一人でクリスマスを過ごす人のためのクリスマスセット、これを今デパートで準備していますというニュースでした。しかしやはり、これが日本社会のトレンドになってはいけないと思います。

どう考えても、人間というものは、共にクリスマスを過ごす人がいる、共に正月のお餅を食べる人がいるべきではないでしょうか。一人でアパートでお餅を食べて何が幸せでしょうか。

こう考えてみますと、やはり人の幸せというものは、自分以外の人との間で結ばれる、心の絆があるかどうかによって決定されるのではないでしょうか。

それでは、果たして私たちの愛情というものは、どこで培われるのかと考えてみますと、やはりそれは家庭であります。家庭生活を通して人間の愛情や人格が培われます。故に、家庭は人生における愛の学校であると宣言できるのであります。皆様いかがでしょうか。(拍手)

心理学の世界では、家庭環境によって人格の70%が決まると言われます。それくらい家庭環境は私たちの人格の成長、育成にとって決定的な影響力を持っています。

私たちの家庭におきまして、地上でまず私たちが生を享(う)けます。最初に受けるのが親からの愛です。子供はその愛を受けて親をこよなく慕います。この子供が親を慕う愛を、文先生は子女の愛と名付けられました。この子女の愛を人間は最初に経験し、やがて兄弟が生まれれば、兄弟の愛を経験します。これが2番目です。

やがて思春期を迎えて異性を意識するようになれば結婚をし、夫婦の愛を経験します。この夫婦の愛もやはり実際に結婚しなければわかりません。そして、やがて子供をもつことによって、親の愛、父母の愛を経験します。

この子女の愛、兄弟の愛、夫婦の愛、父母の愛、この4種類の愛のことを文先生は四大愛と表現されました。この四大愛を体恤(たいじゅつ)し通過することによって、人の心は豊かな愛情に根ざした大きな心になっていくというのです。

例えば、自分のお父さんお母さんと同じ年代の人を見ますと、自分のお父さんのように慕わしく思う、自分のおじいちゃんやおばあちゃんのような年代の人に出会えば、自分のおじいちゃんおばあちゃんのように慕わしく思う、同様に、自分の子供と同年代の子供たちを見ますと、実の子供でなくてもまるで自分の子供のように、その延長線上に慕わしく可愛く思います。人類愛というものは、このように家庭生活を基盤として育っていくのですと、文先生は教えて下さいました。まさに、家庭生活を通して我々の愛は育まれ、愛は完成に向かってまいります。

結論的に表現をすれば、家庭生活を通して我々は四大愛を体恤し、経験し、愛の豊かな人間になっていくというのです。その意味におきまして、やはり家庭こそが愛を学ぶ人生の学校であると定義できるのです。

数学や英語などの教科は学校で学べます。しかし、愛を学ぶのは学校ではなく、お父さんお母さんのいる、兄弟のいる、おじいちゃんおばあちゃんのいる、その家庭です。

人間の成長にとっては、お父さん、お母さんだけではなく、おじいちゃんおばあちゃんと同居する、三世代が共に暮らすのが人間の愛の成長、人格の成長にとっては理想的であります。

愛に満ち溢れた家庭こそ幸福の源

ご存じのように、ここから遠くない福井県は、全国47都道府県の中で何年も連続して幸福度ナンバーワンの県として有名です。学力が一番、子供たちの体力も一番など、いろんなデータがありますが、核心的なその背景は、福井県が親子三世代が共に住んでいる同居率が全国で一番高いことです。

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お父さんお母さんは、勉強しなさいと言い、成績が悪ければ叱りますが、おじいちゃんおばあちゃんは成績など関係なく、孫であれば目の中に入れても痛くない、ひとえにかわいいと言うのです。子供たちは、お父さんお母さんからは感じられない、この貴い無条件の愛を、おじいちゃんおばあちゃんから感じることができます。その意味でも、住宅事情が許すならば、三世代が共に暮らしながら三代圏を通して理想家庭を築いていく、これこそが、理想世界実現への礎としての三代圏家庭理想の完成であると文先生はおっしゃっています。皆さんいかがでしょうか。(拍手)

最後に、愛の学校であると定義できる家庭、その中でも、その愛に満ち溢(あふ)れた家庭こそが、私たちの幸福の一番の源であると、改めて私は宣言したいのです。そのような理想家庭を目指して、家族が共に努力をし、そのような理想家庭を基盤として、平和で愛に満ち溢れた理想の人間社会、そして理想の世界を私たち自身から実現してまいりましょう!