機関誌画像

お日さまニコニコ毎日前進![30]

エッセイスト 櫻井 ひろみ

「男女の脳の違い」に揺れる男と女、今昔

「キレる妻たちの逆襲.」…サスペンス劇場のタイトルではありません。NHKが現代の夫婦像に切り込み、「キレる妻たち」を立て続けに特集しました。6月7日放送のクローズアップ現代は「妻が夫にキレるわけ〜”2800人の声”が語る現代夫婦考」、6月11日放送のNHKスペシャルは「ニッポンの家族が非常事態!?〜妻が夫にキレる本当のワケ〜」。

主婦A「例えばギャンブルするとか、こういうところがダメです!というのは特にない。いい人、よくやってくれる。でも、本当に離婚してやろうかなと思う時がある。このままだと、子供が手を離れると深刻かなと思う…」。

主婦B「そもそも、夫が自分の悩みに向き合わない。こっちは不安に思っていることを1回受け入れて欲しいだけ。具体的にこういうのはどう?とか言って欲しいわけじゃない…悲しくなりますね…。そこは一旦『そうだよね』とか『心配だよね』とか…そういう共感ゼロですよね」。

妻たちの心に寒冷前線が忍び寄り、自分でもどうにもならない心の闇が広がり始めているらしく、今にも氷の塊が降ってきそうな予感を感じる特集でした。

夫たちの離婚動機
(画像クリックで拡大します)

一方で、極寒の冷えに耐え忍ぶ夫たちの姿にも焦点があてられていました。耐え忍ぶというよりは、恐怖に怯(おび)える夫たち。司法統計から見た「夫たちの離婚動機」で、30年前は「妻からの精神的虐待」が8位にありましたが、今や第2位に躍り出ているのです(図1)。

夫A「ヒステリーじゃないですけど、大きな声を出して怒るみたいな。そういう怖さっていうか…例えば、食後すぐに歯を磨かなかったりすると…『あなた、なんで食べたのにすぐ歯、磨かないの!』たちまち人格を否定するような言葉が。さらに、コップを置く位置が僅かに違っても…『ちょっと、コップの場所はここじゃないでしょう!』、しまいには、リビングにいるだけで邪魔だと怒られます」。

番組のアンケートでは48.2%の夫が「妻が怖い」と答えています。昔の恐妻家とはちょっと違うようで「人格を否定するような暴言」「鬼の形相で責められる」「結婚したときと同一人物とは思えない」といった、精神的に追い詰められている夫たちの姿が見えてきました。昔なら、結婚後に「こんなはずじゃなかった!」と叫んだのは妻たちだったのですが…。

そして、夫B「理由がわからないから、僕としては一方的に怒られているだけって感じで、もう、わけわかんないっていう感じですね」が代弁するように、大半の夫たちは「妻がなぜ怒っているのかわからない」で、ただ怯えているか、嵐が過ぎ去るのをじっと待つしかないようです。

妻たちの怒りの理由は特定の出来事だけに結びついているわけではないでしょうが、大きな要因のひとつは、なんといっても「不公平感」でしょう。とにかく、現代の女性は忙し過ぎるのです。今や共働きはあたりまえ、専業主婦の1.5倍です。ところが、妻の家事・育児時間の平均が4時間12分に対して、夫はわずか24分(総務省)です。怒らないのがおかしいくらいです。

共働き夫婦に家事の負担割合を聞いた結果(大和ハウス調査)、妻側は「夫1割、妻9割」との認識が最多だったのに対して、夫側は「夫3割、妻7割」が最多。夫婦間の認識の隔たりはまだまだ大きいようです

夫たちの育児、家事に対する意識変革は欠かせません。夫から「手伝う」と言われて違和感を覚える女性は少なくありません。今や育児・家事は「手伝い」ではなく協働作業なのです。

それでも、妻の多忙さを理解してくれている夫ならまだしも…。

既婚女性の夫への不満
(画像クリックで拡大します)

妻たちの夫への不満の第1位は「夫が自分の気持ちを理解していない」です(図2)。前述の主婦Bさんのように、自分の気持ちをわかってくれないことへの爆発なのです。

夫たちはわかってあげたいと思ってはいるが、「男性は分析したり、どうにかしたいんですね。例えば奥さんが怒っている理由を知って、それに対する対策を考えればどうにかなるんじゃないかっていうファンタジーを持っていらっしゃる」(夫婦問題カウンセラー談)というわけです。

いくら男女脳の差とか、ホルモンの問題と説明されても、それで妻たちの負担が軽減されるわけではありませんが、少しでも解決の道を探った番組での実験結果をご紹介します。

解決策① みつめあいスキンシップをとる

解決策② 目標に向かって二人で協力する

解決策③ サプライズの贈り物

いかがですか? 時には手をつないでお互いに目を見つめ合って語り合う。休日には食事づくりを二人で取り組んでみる。そして、時には、サプライズのお手紙や期待を裏切る贈り物など…。

手をつなぐだけで愛情ホルモンのオキシトシンが2倍に増えるそうです。オキシトシンはお店では売られていません。二人の共同作業でしか育てられない幸せのホルモンのようです。お金がかからない特効薬かも…是非、お試しあれ。