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春夏秋冬つれづれノート

ジャーナリスト 堀本和博

ウォーキング以上のワークがコントロールしてヘモ・エーワンシーを歳相応の正常値に近づけた

「ホリモトさん、何かしたのですか」

「えっ、何かって何でですか?」

「いや、ヘモグロビンエーワンシー(HbA1c)がいい数字ですから。6.5ですよ」と主治医が不思議そうに聞くのである。

今年の2月のことだ。ヘモ何とかシーというのは2〜3か月ごとにしている血液検査の数値で、糖尿病の血糖コントロールの目安のひとつ。6.0以下が正常値とされている中で、数年来、コントロール薬を飲みつつも7台前半を上下してきた。

ウォーキングがいいことは分かっているので、日ごと1時間2時間としゃかりきに頑張ったりもして、月に0.1〜0.2下げたりもしてきた。それでも例年は、師走から年末年始に食べ過ぎ、バレンタインのチョコも誘惑には勝てず有難くいただくから、この時期だけは7台後半に上がるのが常だった。年間を通して主治医と、数字に一喜一憂してきた。

だから、主治医も信じられないという顔をし、私も「えっ」なのである。今年、古希を迎えた年齢を勘案すると、りっぱに正常値に入ったと胸を張っていい数字だからだ。

そうか、あれか。ウォーキングは止めたのに、としばらく考えて思い当たったことがあった。昨年後半から家事が増えたことである。病身の家内の介護、買い物に炊事に食器洗い、洗濯と洗濯物干しと取り下げ、部屋やトイレ、浴槽の掃除などなど。

どこの家でも奥さんが普通にやっていることであるが、やり始めて分かったことがある。食事の準備や後片付けなどは、物を持ってこぼさないよう注意しつつ行ったり来たり。たたみや床をほうきで掃き塵取りで始末する掃除(電気掃除機は不使用)や、洗濯物干しと取り入れなどは立ったりしゃがんだりの繰り返しだ。

その不規則な動作の連続は要するに毎日、ウォーキング以上のワークをし、かなりの数のスクワットをこなしているのと同じではないか。ふと、そう思い当たったのである。

そんな思いつきを話すと、主治医も我が意を得たりの顔で「日本の女性が長生きするのは、しっかり家事をするからだと臨床を重ねる中で前から思ってきました」と。夫のため、家族のため、と利他の気持ちが根にあってするから実は健康にいいのだと強調。近い将来の家事をロボットが代行し、浮いた時間をダイエットなどのトレーニングに汗を流す生活が本当に健康と長生きにいいことなのかどうか、考えてみたいともいうのである。

小暑(7日)、大暑(23日)の7月、熱中症や脳梗塞にくれぐれもご注意を。