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春夏秋冬つれづれノート

ジャーナリスト 堀本和博

今年は統一地方選と夏の参院選が重なる12年に一度の「亥年」で激動

〈去年今年(こぞことし)貫く棒の如きもの〉

人口に膾炙(かいしゃ)した高浜虚子の句は、新年放送のために昭和25(1950)年12月20日作である。新年の句にしては一見ぶっきらぼうな表現にも思えるが、時の流れに対する的確な把握が読み味わう人それぞれの世界観や心境によって、さまざまな解釈ができる面白さと雄大さに満ちた一句である。

「去年今年」が新年の季語で、山本健吉の『俳句鑑賞歳時記』(角川文庫)では「あわただしく年去り年来るの意」「旧年・新年を通しての一つの感慨が『貫く棒の如きもの』という表現を生んだ」「一本の棒のように、かくべつの波瀾もない過ぎゆく日々が存在するだけ」「老いの感慨である」などと解説するのはうなずける。

平成最後の除夜の鐘が旧年の幕を引くと、やはり平成最後となる新年の幕が開く。今年は天皇陛下が4月末に退位され、翌5月1日に皇太子殿下が即位される。私たちは合わせて行われる改元で、新しい元号が平成からバトンを引き継いで始まる、まさにその歴史の中に身を置いているのである。

今年の干支は”猪突猛進”のイノシシであるだけに、世の中も目まぐるしく動きそうである。昨年の世界は北朝鮮の金正恩労働党委員長の「核のボタンが事務室の机の上にいつもある」との新年の辞に、トランプ米大統領も「私の核のボタンは彼のものよりずっと大きくて、強力だ」(ツイッター)と応じるにらみ合いから始まった。それが平昌冬季五輪・パラリンピックへの北朝鮮参加、米朝首脳会談へと動く一方で、中国の覇権野望阻止に絡む米中貿易戦争の激化などで世界は大きく揺れた。とても一筋縄ではいくまいが、今年は北朝鮮の「完全な非核化」を目指す2回目の米朝首脳会談も、年明けに予定されるなど、1本の棒を貫く動きが続くのである。

日本は来年の2020東京五輪に向かって、それこそ猪突猛進の1年となりそうだが、その前に越えなければならないハードルもある。今年は統一地方選(4月)と夏の参院選が重なる12年に一度の「亥年」である上に、参院選が情勢次第では衆参ダブル選挙となる可能性もある。加えて、日本が議長国として大阪開催(6月28日)の主要20カ国・地域(G20)首脳会議では、先鋭化する米中の対立をどうさばいていけるかも問われる。

内外とも目まぐるしく激動することが避けられない1年となりそうである。