機関誌画像

福祉のこころ 地域医療・包括ケアの現場から (9)

介護支援専門員 加藤優子

いつまでもお客様の力強い味方でありたい

お客様に、「○○さーん!」とお声がけすると、返ってくる声の調子でその方のきょうの状態が概ねわかります。「きょうは体調が悪いのかな」「ご主人と何かあったのかな」「とっても気分が良いみたいだな」など。

ケアマネジャーである私は、ケアプランを作成するときに、お客様に関して、最初にできるだけ多くの情報を集めます。今までできていたことが、病気でできなくなったとしても、これからどんな生活を送っていきたいのか、どうしたらそのような生活が送れるようになるのかなど、これらの集めた情報をもとに、○○さんのオーダーメイドの支援計画を立てていきます。

ケアプラン用のパソコンの前に座りながら、○○さんの様子を思い起こし、どうしたら毎日笑顔で生活してもらえるかなと、その方の顔を思い浮かべながらケアプランを作っていきます。そんな時は「ケアマネジャーって人の幸せを考えるのが仕事なんだ。なんて、いい仕事なんだ」と思います。

その方の家族の状態の確認、直接的支援者となる事業所探しなど、必要があれば役所や地域包括支援センターとも連携し、その方のこれからを支えるために奔走します。そしてチームを組んだら、いよいよ支援開始です。開始してしばらくは、いろいろな問題が噴出することもあるため、○○さんの状態を見ながら調整をしていきます。

ケアマネジャーは、月1回お客様の自宅を訪問してサービスの状況を把握します。ケアマネジャーの真価は、問題が発生したときに問われるのかなといつも思います。私は「○○さんが困っている!」または、「○○さんのご家族が困っている!」とわかると、本人やその家族への距離感や思いが、ぐっと近くなります。なぜか俄然、力が湧いてくるのです。そして普段できないようなことでもできてしまうのです。

時には、病状やパーソナリティに合った施設を求め、片っ端から電話をかけ、受け入れ可能な施設を探すこともあります。

また、敷居が高いといわれている大病院の医師にも、○○さんのためならば、手紙や電話を使い、意見をいただきます。病院が大きいほど先生の意見を直接いただくことが難しいのですが、自分が一生懸命、一心不乱に動いていると不思議と協力者が突然現れます。その時の嬉しいこと嬉しいこと。「御恩は忘れません」という気持ちになります。そうやって準備し、調整できたことを○○さんとご家族にお話しすると、皆さんが「笑顔」になります。それが私の何とも言えない喜びであり、心から「よかった……」と思えるひと時です。

やりきれない思いを抱えている○○さんと思いを共有しながら、一緒に涙を流すこともあります。また、一緒に憤慨したり、何度も何度も同じ話を笑顔で聞きながら楽しんだりもします(これは私の特技で、お年寄りの同じ話を何度聞いても、ちっとも苦にならないのです)。

しかし、時には書類に埋もれて溜息が出ることもあります。「大丈夫?」と他のケアマネから心配されることも……。

そして、また鳴り響く電話のベル。きょうもどこかで問題発生! 私はきょうも問題や課題解決のため飛んでいく、という感じで、人生の先輩であるお客様のお話をたくさん聴きながら、これからも、良い支援ができるよう努力していきたいと思います。