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新米ママのありのまま(10)

フリーライター 岸元実春

子供の欲求は無限大 「約束」守らせ、叱る時はきちんと説明を

夏のかぜ 山よりきたり 三百の 牧のわが馬 耳吹かれけり

与謝野晶子の、夏の情景を詠んだ短歌です。さわやかな夏の風が山から吹いており、放牧されているたくさんの若馬たちの様子が表現されています。どこまでも続く青い空に白い雲、じりじり照らす太陽の下、草を食む馬たちの耳が風に吹かれてそよいでいる。そんな景色が思い浮かびます。近所に牧場があるので、馬が放牧されてパカパカ駆けまわったり、寛いでいる様子を娘と見に行くことがあります。動物が好きなようで、馬を見たり、牛を見たり、羊や豚、鶏など、牧場にいる動物に興味津々。まだ大きな動物園には連れて行ったことがないのですが、そろそろ象やキリン、ライオンなど、大きな動物を見せてあげたいものです。どんな反応をするのか、想像するだけでも楽しみです。

イヤイヤ期真っただ中の今、子供の欲求は無限大だと実感させられます。自分の意思がはっきりしてきたので、例えば子供向け雑誌のおもちゃのカタログを見て、「これ欲しい!」と指します。「これは高いから買わないよ」と言うと、今度は、「じゃあ、これにしよっかあ」と遠回しのお願い。買ってあげられないことを再度伝えると、理解しているのかいないのか、笑顔でごまかされます。

また、最近はチーズにはまっており、ご飯の時は必ず「チーズ欲しい!」とねだります。ひとつあげるのですが、それだけでは満足せず、「もういっこ!」と手を出します。「まだご飯食べていないでしょ。ご飯食べたらあげる」と言ってもきかず、しまいには泣き出してしまいます。このまま思うとおりに渡していては、泣けばもらえると思ってしまうので、我が家では必ず約束をさせます。「じゃあ、あと一個食べたら、ちゃんとご飯食べるんだよ」そう言うと、泣き顔が一瞬にして笑顔になり、「はーい」と素直ないい返事をしてくれます。

一度自分の欲求を聞いてもらえれば満足するようで、チーズを渡せばその後はちゃんとご飯を食べてくれます。約束を守らない時もありますが、その時にはしっかり叱ってけじめをつけさせます。約束を守らないから叱られるんだと、子供自身が叱られる理由を分かることが大切だと思っています。そのため、2歳だから理解できないと決めつけず、きちんと何が良くて、何が駄目なのか説明をして、今度からはこうしてねと伝えるように心がけています。子供の本質は素直、純粋なので、親が真っ向から子供の主張に「ダメ!」と否定せず、他のおもちゃや食べ物で気を引いたりすれば、そっちに意識が向いてだだをこねる時間が短く済みます。

我が子には人一倍気を遣って、あれやこれやと考えさせられていますが、親としても、人としても成長させられているのを感じます。ここにもうひとり子供が加わり、更にもうひとりとなっていけば、その分、器を広げていかなければいけないでしょう。楽しみでもありますが、心の準備が必要だなと思わされます。