機関誌「真の家庭」publication

APTF 公式サイト機関誌「真の家庭」人生を豊かにする金言名句(15)

人生を豊かにする金言名句(15)local_offer

ジャーナリスト 岩田 均

トマトが赤くなると医者は青くなる

食べ物と健康に関わることわざは、いろいろありますが、日常生活に身近なせいか、肩に力が入らず受け止めることができます。赤いトマトとの対比で、「医者が青く」というのもユーモラスです。

トマトにはそんなに栄養があるのかと感心します。ヨーロッパ(イタリア説も)で言われているようですが、ネットにいくつか紹介されていました。まず意味は、「トマトが熟す頃になると、トマトを食べて皆元気になり病人が減るので、仕事が減ってしまった医者が青くなってしまう」(理研ビタミンの「食のマメ知識」から)となります。同じようなことわざもあって、「トマトのある家に胃病なし」(サラダコスモのホームページから)と言うそうです。

リンゴも健康に良い食べ物の一つ。イギリスのことわざに「1日1個のリンゴで医者いらず」があって、またまた「医者が青く」なりそうです。欧州ではその昔、医者への信頼度が低かったのかもしれませんね。トマトやリンゴが格上になってしまったのは、皮肉でしょうか、生活の知恵でしょうか。

すりおろしたリンゴの思い出は、幼少の頃のことです。胃腸が弱かったので、夏には毎年のようにお腹を壊していて、母が作ったすりおろしのリンゴ汁を飲むと安心した気持ちになったものです。

ほのぼのとした野菜にまつわる名言といえば、「秋茄子は嫁に食わすな」でしょうか。夏になると、わが家にはナスが集まってきます。これは夏ナスでしょうけれど、農家や家庭菜園をやっている方々から回ってきます。「昔はね、『秋茄子は嫁に食わすな』と言ったものだけど、こんなたくさんあったら皆で食べないとね」と言うのは家内。

ご存じの方も多いと思いますが、この解釈はいくつかあります。姑の嫁いびりで、秋ナスは美味だから嫁にあげないという意味が一つ。ナスは体を冷やすとか、秋ナスにタネが少ないため子供が生まれなくなるのが心配だという縁起担ぎをするとか、嫁を気遣う意味がもう一つです。丸みのあるナスの形のせいか、ことわざからはキツさをあまり感じさせませんね。