機関誌「真の家庭」publication

APTF 公式サイト機関誌「真の家庭」新米ママのありのまま(6)

新米ママのありのまま(6)local_offer

フリーライター 岸元実春

絵本の読み聞かせしてますか?子供の感性を育てる絵本の読み聞かせ方

「絵本持ってくる? 何読む?」

娘にそう問いかけると、嬉しそうに読んでほしい絵本を持ってきます。もうすぐ2歳になる娘ですが、半年前から自分で絵本を持ってきて、膝の上にちょこんと座ってじっと聞いてくれるようになりました。絵本の読み聞かせを始めたのは、昨年の1月から。ある絵本屋さんとの出会いがきっかけでした。

娘が生まれて1年近く経った頃、子供に絵本の読み聞かせをしたいと思ったのですが、どんな絵本を読んであげればいいのか、どうやって読み聞かせをすればいいのか分からずにいました。そんな折、ネットで絵本屋さんを見つけて足を運んでみると、そこはただの絵本専門店ではありませんでした。読み聞かせ方や、絵本の選び方も教えてくれる所で、探し求めていた答えがそこにありました。

月に1回程度そのようなことを学べる会を開いているということで参加してみると、想像していた以上の答えと、感性を育てる素晴らしい読み聞かせの効果を知ることができました。絵本の読み聞かせをなぜするのか、まず根本的なことを教えてもらいました。

  1. 感じる力・感性を育てる
  2. 美しい言葉、絵の体験を積み重ね、言葉を理解して楽しめる子に育てる
  3. 真実を伝え続け自ら判断する力を育てる

という3つの大きな理由があるといいます。自分の経験上からもとても共感できました。

それではどのようにして絵本を選べばいいのでしょうか。

  1. 今すぐ読んでと飛びつく本だけを読む事はやめる
  2. 年齢で本を限定する事はもったいない
  3. 大人にも美しい言葉と絵だと思われる本を選ぶ
  4. 可愛いだけで本を選ぶのは避ける

書店の商魂に惑わされてはいけないとしみじみ思わされます。

肝心な読み方ですが、本当に大切な部分を一部抜粋して紹介します。

  1. おおげさに読まず、そのまま美しい文章を聞かせてあげること
  2. 読み聞かせながら、指差ししたり、問いかけたりしないこと
  3. 毎日、膝の上に乗せて、歌のように何回も読んであげること
  4. 子供の心に語りかけるように、何回読んでも、読み手も絵をゆっくり味わって読むこと
  5. 読み聞かせの際、子供が自分で絵本をめくろうとしても、めくらせないようにすること

5番目が一番大変なことですが、子供にめくらせてしまうと遊びになってしまうので、めくろうとしたら本を離してください。中途半端に触らせないようきっちり心に決めることが大切です。泣いて困ったら途中でやめて、怒らずに待つこと。娘もそうでしたが、今ではおとなしく聞いてくれるようになりました。

日々の生活で子供に構える時間は少ないかもしれませんが、1日1冊でも読み聞かせを始めていくと、長い時間をかけて子供も変わっていくものです。育児はすぐに結果が出ないので、気長に待ちながら、親の愛情を注ぎ続けていくしかありません。また、遅すぎるということもありません。ゲームやテレビしか楽しめなくなっているとしても、小学生になったとしても、読んであげて下さい。自分でも本に興味を持って読むようになります。幼い頃に読んでもらった本の絵は、喜びと共に心に焼き付けられているといいます。そうして育った感性は、子供の未来を大きく花開かせます。大切なことは親も一緒に楽しんで絵本を読むこと。絵本を読んであげて子供との触れ合いの時間を持てば、親子の絆がより深まるのではないでしょうか。まだまだ冷え込む今がチャンスです。暖かい家の中で子供を膝に乗せ、絵本の世界を旅しながら、春を待つのもいいかもしれませんね。

(参考文献:「子どもと本のあるくらし」よちよち屋発行)